ルネサス エレクトロニクスは、4.9Gおよび5G LTEベースステーション向け直接変調型レーザダイオード(DML: Directly Modulated Laser)の「RV2X6376Aシリーズ」を発表した。

  • ルネサスの5G LTEベースステーション向けレーザダイオード「RV2X6376Aシリーズ」

    ルネサスの5G LTEベースステーション向けレーザダイオード「RV2X6376Aシリーズ」

この新製品は、4.9Gおよび5G LTE基地局内ならびにデータセンタのルータとサーバ間で高速通信を可能にする100Gbps(ギガビーピーエス)の光トランシーバ用光源として25Gbps×4波長に対応する。4波長を使用することで、従来のNRZ(Non Return to Zero)変調方式を採用するコンパクトな100Gbps QSFP28光トランシーバ・モジュールの光源に使用できる。CWDM4(Coarse Wavelength Division Multiplexing)標準仕様に準拠し、1チャネルあたり25Gbpsで4チャネルを多重化することで100Gbpsを実現しする。

また、同シリーズは-40°Cから最高95°Cまでの動作温度範囲に対応し、冷却なしで1波長あたり25Gbpsの速度を可能にする。データセンタで使用され、既に量産実績のあるコマーシャルグレード対応(-5°C〜85°C)の「NX6375シリーズ」に続くシリーズで、モバイル基地局に求められる耐久性と信頼性を有するほか、ユーザはより広い温度範囲へアップグレードすることができる。

ルネサスのインダストリアルA&P事業部ヴァイスプレジデントのDiwakar Vishakhadatta氏は、次のように述べている。「RV2X6376Aシリーズは、屋外の4.9Gおよび5Gのモバイル基地局間通信用光トランシーバへ最高の信頼性を備えたソリューションを提供します。広い温度範囲とDML技術により、トランシーバの設計者はEML(電界吸収型変調器集積レーザダイオード)を使用する現在の設計よりも格段にシステム費用を低減することが可能です。」

なお、RV2X6376Aシリーズの主な仕様は、1.3μm AlGaInAs(アルミニウムガリウムインジウムヒ素)直接変調型DFB(分布帰還型)レーザダイオード /非冷却運用(絶対最大定格):Tc=-40℃〜+95℃ / 光出力:Po=7mW@25℃ / SMSR(サイドモード抑圧比):35dB min. / レーザ動作電流:55mA max / レーザ逆電圧:2.6Vmax / 高信頼性:MTTF(平均故障時間)10万時間(未保証)となっている。