ルネサス エレクトロニクスは2月28日、レベル3ならびに4の自動運転システム向けに、スマートカメラ用SoC「R-Car V3H」を発表した。

同製品は、NCAP((New Car Assessment Program)用スマートカメラ向けSoC「R-Car V3M」の上位機種で、レベル3/4の自動運転システムで求められる高度なセンシング処理を実現するAI処理の実現に向け、専用のCNN(Convolution neural network)エンジンを搭載。このほか、ステレオカメラを用いて距離の計測を実現するステレオディスパリティや、低速あるいは高速で運動している物体についても正確なフロー追従が可能となる高密度オプティカルフロー、ある領域内の物体の高速検出を可能とするオブジェクト分類専用のエンジンなどを搭載しており、ルネサス独自の画像認識エンジン「IMP-X5」を進化させた「IMP-X5-V3H」と組みわせることで、同社実測で0.3WでコンピュータビジョンベースのAI処理を実現することを可能としている。

また、R-Car V3Mと同様、画像の絵づくりや認識処理向けにセンサ信号の変換処理を行うISPも搭載していることから、シンプルな車載カメラとの組み合わせで使用することが可能だという。

なお、同製品は、2018年9月よりサンプル出荷を開始し、2019年後半より量産を開始する予定だという。

  • ルネサスの車載用スマートカメラ向け ハイエンドSoC「R-Car V3H」

    ルネサスの車載用スマートカメラ向け ハイエンドSoC「R-Car V3H」のパッケージ外観