2月7日、都内にて、10月16日~19日に開催予定である「CEATEC JAPAN 2018」に関する開催概要の説明会が実施された。19回目の開催となる今回のテーマは、前回と同じく「つながる社会、共創する未来」。CPS/IoTの革新技術が集結する総合展示会として、「Society 5.0」をキーワードに、あらゆる産業・業種による「協創」を発信する場を目指す。

長尾尚人氏

電子情報技術産業協会(JEITA)の専務理事を務める長尾尚人氏

主催団体の1つである電子情報技術産業協会(JEITA)の専務理事を務める長尾尚人氏は、「CEATEC JAPANが『CPS/IoT Exhibition』となり、今年で3年目。感覚でいうと、2016年はバージョン0.1、2017年がバージョン1.0、そして今回でバージョン2.0を目指したい」と意気込みを語った。

従来、「最先端IT・エレクトロニクス総合展」と銘打って実施されてきたCEATECであるが、その当時でも環境問題や自動車、ヘルスケアやエネルギーなど、常にその時々で取り扱うべき、最先端の技術・製品を取り扱ってきたという歴史がある。

  • CEATEC

    「CEATEC JAPAN」の変遷の歴史。社会に求められる技術に合わせ、展示会の内容も変化してきた

「従来、大量生産、大量販売が当たり前の『20世紀型展示会』だったCEATECだが、現代では、『モノとサービスを一体化したエコシステム』が求められるようになっている。それに伴い、企業はビジネスモデルを変革する必要がある。そして、それらの商品をどのように世の中に出していくのかが重要だ」と長尾氏。市場の変化に伴い生じる問題を、CEATECという場で解決することを目指すと意気込んだ。

目指すのは「Society 5.0」

小川尚子氏

日本経済団体連合会(経団連) 産業技術本部の小川尚子 上席主幹

また、説明会では「CEATECの方向性 Society5.0 について」と題し、日本経済団体連合会(経団連) 産業技術本部の小川尚子 上席主幹が登壇し、今回のコンセプトとなる「Society 5.0の実現に向けた展示会」についての説明を実施した。

「Society 5.0」は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を調律する、人間中心の社会。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たな社会を目指す考え方だ。

  • Society 5.0

    「Society 5.0」は、「Society 4.0」(情報社会)に続く、新たな社会。「超スマート社会」とも呼ばれる

小川氏は、「GoogleやApple、Facebook、Amazonなどの企業を筆頭に、これまでの情報社会の延長線では考えられない、新たなビジネスモデルが生まれている。これまでの社会では、ICTを活用した『個別最適化』がキーとなっていたが、これからは、サイバー空間と現実空間の融合による『社会全体の最適化(全体最適化)』が求められるようになる」と語る。

  • Society 5.0

    「Society 4.0」(情報社会)から、「Society 5.0」(超スマート社会)へ。その実現には、個別最適化、から全体最適化を目指すことがカギとなる

また、「このパラダイムシフトに対応するためには、オープンイノベーションがより活発にうまれるような、エコシステムが必要不可欠。CEATECが、同業種・異業種との関わりを生み、オープンイノベーションを創出する場となってくれれば」とCEATECに対する期待を述べた。

  • Society 5.0

    Society 5.0の実現のためには、オープンイノベーションが創出されるエコシステムが重要となる。CEATECは、企業、ベンチャー、研究機関が集まる、よい場となることが期待されている

なお、CEATEC JAPAN 2018の出展社募集は2月20日から開始される予定。また、優先申し込み期限は4月27日となっている。