富士通コンポーネントは、24GHz帯ドップラー効果を利用した移動体検知センサーモジュール「FWM7RAZシリーズ」を開発したことを発表した。同製品は、2018年1月よりサンプルおよび評価ボードの提供を、2月より注文受付を開始予定。価格はオープン。

  • FWM7RAZ01(左:アンテナ面、右:部品面)

FWM7RAZシリーズは、前方に位置する移動物体を検知するセンサーモジュール。移動体から反射した電波のドップラー効果による周波数変化をアナログ信号として出力し、同信号を用いて移動物体の有無や速度、接近/離反等の動きの解析・応用に利用するもの。

同モジュールは24GHz帯を利用し、2つの端子を用いて複数のチャンネルの選択が可能なマルチチャンネル対応。異なる周波数帯を設定できるため、他のセンサーや対象物の隣接による干渉を回避して使用できる。

また、1Hz〜1MHzの2対のIF(I/Q)でアナログ信号の出力を行う。非常に遅い動きの検出を必要とする呼吸検知から、落下やロボットの動きの異常検知など非常に速い動きまで検知が可能で、幅広い用途に利用できる。

さらに、天候、温度、照度など外部環境の影響を受けにくい安定した電波方式を採用。赤外線方式では検知が難しい外気温と検知対象の温度差が少ない状況においても、確実に検知が行える。また、24GHz帯を利用することにより、ガラスや薄い壁などの遮蔽物を越えた物体透過検出が可能となっている。検知距離は約0〜30mに対応している。

これらの特長により、同製品は汎用センサーとして、環境の影響を受けにくいセンサー設備の構築、移動物体の移動方向(接近/離反)の判断、体重や外気温に左右されない自動ドアのセンサー、1Hzの超低周波数出力を活かした呼吸や咀嚼の検知による見守りサービス、工場などの侵入禁止エリアの監視、水垢等の汚れに強い水回りセンサー等、さまざまな用途に利用できる。