駆け込み需要が生じた2026年第1四半期
半導体メモリの供給不足に起因する値上げとマクロ経済の逆風による購買意欲の低下がPCの出荷台数の押し下げ圧力となっている。TrendForceは最近、2026年通期の出荷台数予測を従来の前年比9.2%から同14.8%減へと下方修正した。
しかし2026年第1四半期だけを見ると、Counterpoint Researchによると、メモリの高騰が店頭価格に反映される前の駆け込み需要を生み出し、Windows 10のEOLによる更新需要も後押しした結果、前年同期比3.2%増となったという。このメモリ高騰による駆け込み需要の波にうまく乗ったASUSおよびAppleは前年同期比で2桁の成長を達成したともする。
上位5社で市場の80%を形成
上位メーカー別に見ると、トップはLenovoで出荷台数は同9%増の1650万台。市場シェアは26%で、同四半期としては過去最高を更新した。2位はHPだが、同5%減と出荷台数を減らしている。3位はDellで、法人需要を取り込み、同8%増としている。
4位はAppleで、3月に新型MacBookを発売したこともあり、同四半期の出荷台数は同11%増の670万台としている。新型モデルの生産・出荷拡大が進むことで、第2四半期も成長が見込まれている。5位はASUSで、コンシューマノートPC需要を取り込み、同20%増の480万台を記録したとする。Counterpointによると、これら上位5社がPC市場の出荷台数の約80%を占めており、残りの中小OEMのほとんどが出荷台数を横ばいもしくは減少させる結果となったとしている。
ビジネスモデルの転換が生き残りの鍵に
Counterpointでは、2026年第2四半期についても勢いは鈍化するもののメモリ価格の上昇傾向は継続するとの見通しを示すほか、CPUやそのほかの主要部品の価格も上昇する可能性があるとし、それに伴って店頭価格も上昇し、2026年のPC市場の成長に影響を与える可能性があるとしている。
また、価格上昇による平均販売価格の押し上げ効果は一部見込まれるが、出荷台数の減少の方が影響が大きく、多くのOEMが売上減となることが予想されるが、現在稼働しているPCの約40%が依然としてWindows 10以前のOSとも言われており、更新需要が一定数残っていると見込まれることから、ほかの民生機器分野と比べれば落ち込みは小さくて済む可能性があるともしている。
ただし大筋としては、更新需要だけで予想される出荷台数の減少を相殺するには不十分であるとCounterpointでは指摘している。また、2027年に向けては、メモリの価格状況の緩和とAI PCの市場拡大が緩やかな成長への転換を支えるとの見方を示しているほか、その間、OEM各社が急激な市場変化にどう対応するのかが試される年になるとしており、生き残るには必須部材の安定供給網の構築と、低採算モデル中心の事業から、より持続可能な中価格・プレミアム帯へのシフトに成功する必要があると指摘している。

