リニアテクノロジーは10月4日、デュアル入力PowerPath制御回路を内蔵した、2.5A、42V同期整流式降圧スイッチング・レギュレータ「LTC3126」を発売した。

LTC3126は熱特性が改善された28ピンTSSOPパッケージまたは4 x 5mm QFNパッケージに収容されており、高いスイッチング周波数により小型の外付けインダクタやコンデンサを使用できるので、放熱効果が高く実装面積の小さいソリューションを提供する。

また、独自の電力段構成により、2つの独立した電源のいずれでも動作可能で、電源入力間のシームレスな移行が内部で制御されているため、活線挿入時や電源切断時に安定した出力電圧を保証する。さらに、内蔵のパワー・スイッチと同期整流を組み合わせることにより、広い電圧範囲にわたって95%の効率を達成し、2MHzでスイッチングを行いながら高速トランジェント応答と優れたループ安定性を実現する。

電流モード方式は内部で補償されており、外付け補償部品は不要。Burst Mode動作により、ピーク・トゥ・ピークの出力リップルを1%未満に抑えながら、出力電流が少ない場合でも高効率を維持することができる。さらに、無負荷のスタンバイ状態で暗電流が2μA未満なので、常時オンのシステムや携帯型のアプリケーションに最適だとしている。

このほか、入力電圧範囲が2.4V~42V、出力電圧範囲が0.818V~VINとそれぞれ広いため、コールドクランク、負荷遮断、エンジン停止/始動の状況でレギュレーションを行う必要のある自動車用アプリケーションのほか、携帯型の産業用/通信用テスト装置、バッテリやスーパーキャパシタによるバックアップ電源システム、バッテリ・バックアップ付き自動車用電源、無停電電源、非安定化ACアダプタや1セルからマルチセルのほとんどの種類のバッテリで駆動されるシステムなどに適しているとする。

Eグレード・バージョンとIグレード・バージョンの動作温度範囲はいずれも-40℃~125℃。高信頼性のHグレード・バージョンはTSSOPパッケージのみで供給され、動作温度範囲は-40℃~150℃となっている。1000個時の参考単価は6.25ドルから。