島津製作所は、9月7日から9月9日まで幕張メッセ国際展示場にて開催されている分析機器・科学機器関連の展示会「JASIS 2016」に、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)やガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)などの新製品を展示している。

島津製作所のブースの様子

フェムトグラムオーダーの微量成分を検出可能なGC-MS/MS

環境中に存在する残留性有機汚染物質(POPs)や環境ホルモン、医薬品中の不純物など、極微量分析に向けた製品として、同社は先月、フェムトグラムオーダーの微量成分を検出できるトリプル四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS/MS)のハイエンドモデル「GCMS-TQ8050」を発売した。同社ブースの新製品コーナーに展示されている。

トリプル四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-TQ8050」

GC-MS/MSの高感度化に伴って、フェムトグラムオーダーでの定量分析活用の場は世界的に広がっている。たとえば欧州において、食品などに含まれる微量のダイオキシン類およびポリ塩化ビフェニル(PCB)類の分析には、高分解能GC/MSが従来用いられてきたが、2014年にGC-MS/MSも確認分析法として追加されている。したがって同社としても、国内だけでなく、欧州や中国の超高感度分析を必要とする試験検査機関などに向けて同製品を展開していきたい考えだ。価格はPCワークステーション込みで2520万円(税別)からとなっている。

ルーティン分析向けの高速液体クロマトグラフ質量分析計

同社ブースの新製品コーナーには、食の安全や環境分野などにおけるルーティンの定量分析に向けた高速液体クロマトグラフ質量分析計の新製品「LCMS-8045」も展示されている。

高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8045」

同製品は、同社の超高速質量分析計UFMS(Ultra Fast Mass Spectrometry)シリーズのミドルエンドモデルで、30000u/秒のスキャンスピードと5m秒の極性反転スピードといったUFMSシリーズ上位機種の高速性能を実現している。ブースの説明員によると、「汚れに強い」「分析時間の短縮」「高感度」といったユーザーのニーズに応えた形になるという。また必要に応じて、上位モデルである「LCMS-8060」までアップグレードすることも可能だ。