12歳ごろに生える臼歯(12歳臼歯、親知らずを除いて最も奥に生える大臼歯)の生え方に異常がある若者は、かみ合わせの異常が多い。こうした興味深い事実を、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の森田学(もりた まなぶ)教授、大学院生の大森智栄(おおもり ちえ)さんらが大学生約2000人の健康調査で突き止めた。幼少期にかみ合わせや歯並びを正常にすれば、その後の歯の生え方が適正になる可能性をうかがわせる報告といえる。岡山大学保健管理センターの岩﨑良章(いわさき よしあき)准教授との共同研究で、口腔衛生学会雑誌1月号に発表した。

図. かみ合わせが悪いと、正常なかみ合わせの人と比べて、12歳臼歯の生え方が異常(まったく生えていない・正常に生えていない)になるリスクが男女とも高い(提供:岡山大学)

研究対象は岡山大学の18、19歳の2013年度新入生1932人(男性1124人、女性808人)。この年齢では通常、上下左右に計4本の12歳臼歯が生えている。しかし、今回の研究では、12歳臼歯が生えていない学生は18人(0.9%)、生える方向・位置が正常でない学生は240人(12.4%)いた。分析の結果、12歳臼歯の生え方が異常(まったく生えていないか、正常に生えていない)になるリスクとして、かみ合わせの異常が関係していた。かみ合わせが悪いと、12歳臼歯の生え方も男性で3.9倍、女性で3.2 倍、異常になっていた。

12歳臼歯の生え方に異常を起こす原因には、生える方向への障害や、生えるための仕組みの欠損などが指摘されている。「かみ合わせの異常で、12歳臼歯の前後に十分なスペースがなかったり、生える方向に障害があったりするため、12歳臼歯に異常が生じたのではないか」と研究グループはみている。この研究結果は強い関連性を示すが、因果関係を立証するものではない。しかし、かみ合わせを正常化すれば、適正な時期や場所に歯が生えるようにできる可能性は大きいという。

森田学教授は「12歳臼歯に異常があると、隣接する歯(6歳ごろに生える6歳臼歯)の歯周病に影響を与えることもわかった。12歳臼歯が正常に生えるようにすることは、6歳臼歯の歯の疾病予防に役立つので、重要である。小学生のときに、かみ合わせや歯並びを矯正しておいたほうがよいだろう」と話している。