東洋新薬は6月17日、「フラバンジェノール」がヒトメラノサイトの紫外線暴露で増加するエンドセリン受容体の発現を抑制し、メラニン生成促進の指令を遮断するという美白メカニズムを解明したと発表した。

同成果は、同社と中部大学の芋川玄爾 客員教授との共同研究によるもので、詳細は「第112回日本皮膚科学会総会」において発表された。

フラバンジェノールは、フランス南西部ランド地方を主体に植林された海岸松の樹皮から抽出される東洋新薬の独自素材で、オリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)を主成分としたポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用や血流改善作用などさまざまな生理活性を示すのが特徴で、近年、美白作用や抗シワ作用が確認されるようになってきた。

研究グループは、これまでの研究から、フラバンジェノールには、内服および塗布による老人性色素斑(シミ)への美白作用を確認してきたほか、フラバンジェノールの美白メカニズムとして、チロシナーゼ阻害作用および、ヒトメラノサイトにおけるメラニン生成のプロセスを多段階的に抑制することも確認してきた。また、メラニン生成のプロセスにはメラノサイト内部だけでなく外部要因が関わっており、「エンドセリン」が紫外線ダメージの蓄積とともに分泌され、老人性色素斑(シミ)の形成に関与していることも報告されていることから、今回の研究では、エンドセリンに対するヒトメラノサイトの応答に着目し、フラバンジェノールが紫外線暴露したヒトメラノサイトでのエンドセリン受容体に及ぼす影響の検証が行われた。

具体的な研究方法としては、ヒトメラノサイトに紫外線(UVB)を照射していない時と照射した時のそれぞれにおいて、フラバンジェノールがエンドセリン受容体(ETBR)に及ぼす影響を定量的RT-PCR法とウェスタンブロッティング法を用いて評価。

その結果、フラバンジェノールはヒトメラノサイトにおいてUVB照射時に増加するETBRのmRNA発現量を抑制させること、ならびにETBRタンパク質も抑制することを確認したという。

なお、同社では今後もフラバンジェノールを用いた独自性の高い商品開発を行っていくとしている。