Hugging Faceはこのほど、オープンモデルのエコシステムに関する分析レポート「State of Open Models: Summer 2026」を公開した。同レポートによると、Alibaba傘下のQwenをベースとした派生モデルはHugging Face Hub上で15万1448件に達し、Metaの派生モデル数の2.6倍、Llama単体との比較では4.7倍に上る結果になった。
勢い増す中国製モデル
同レポートは、2026年1月から8月までのHugging Face Hub上の活動データを基に、AdinaYAdinaYAdinaY氏、multimodalartmultimodalartmultimodalart氏、Irene Solaimanirenesolaimanirenesolaiman氏の3名が執筆したもの。
それによると、Hugging Face Hub上の公開モデルリポジトリ数は期間中に243万から296万に、データセットは71万1000から100万に、Spacesは100万から144万にそれぞれ増加した。
注目点の1つは、フロンティアモデルの規模でDeepSeek、Moonshotなどの中国系ラボが、Meta、Google、Microsoftといった米国ラボを上回る月が続いたことだ。中国系ラボは月間で7540億から2.78兆パラメータの範囲のモデルを公開したで、米国ラボは7カ月のうち5カ月で1300億パラメータ未満にとどまった。
Moonshot、MiniMax、Xiaomi、Z.aiなどは700億パラメータ未満のモデルをほとんど公開せず、Tencent、Alibaba Qwenは小型から大型まで幅広く展開するという、対照的な戦略の違いも浮き彫りになった。
モデルへの「注目」と実際の「利用」は一致しない
一方、モデルへの「注目」と実際の「利用」は必ずしも一致しないことも指摘された。ダウンロード数上位25リポジトリとlikes(「いいね」)数上位25リポジトリで重複したのはわずか1件のみ。
likesはリリース直後の話題性を反映する指標であるのに対し、ダウンロードは実際にパイプラインへ組み込まれた継続利用を示すとしている。
ライセンス面では、200億パラメータ超の中国製モデル178件のうち59%がApache 2.0、22%がMITで公開されており、大規模モデルであっても寛容なライセンス条件を採用する傾向が続いている。収益源はライセンス料ではなく、API・クラウド事業やエコシステム内でのポジショニングにあるとの見方を示した。
エコシステムの標準基盤として地位を確立するQwen
エコシステムの標準基盤として地位を確立しつつあるのがQwenだ。Qwen派生モデルはHub上で15万1448件に達し、Metaの2.6倍、Llama単体との比較では4.7倍の規模となっている。
さらに今回のレポートでは、AIエージェントがHugging Face Hubの新たな利用者層として台頭している実態も示された。
7月時点でClaude Codeがエージェント経由トラフィックの44.4%を占め、Codexも10.4%から20.8%へ上昇するなど、シェアが月単位で大きく変動する市場であることが明らかになった。
同時に7月には、自律型エージェントによる侵入とみられる事案がHugging Face自身に対して発生したことも報告されている。


