シャープは3月14日、電気製品の省エネ化に寄与する定格電圧600VのGaNパワートランジスタを開発したと発表した。

パワートランジスタは、電力を変換する電源回路やインバータ回路に組み込まれるキーデバイス。電気製品のさらなる省エネ化に向け、通電時の抵抗など物性の理論限界値に到達しつつあるSiに代わって、新材料を採用したパワートランジスタの需要拡大が見込まれている。

同社ではそうしたニーズを受け、長年培ってきたLSIプロセス技術とLEDなどの化合物半導体技術を融合させることで今回、GaNを採用した定格電圧600Vのパワートランジスタを開発したという。同デバイスは、従来のSiパワートランジスタに比べて通電時やスイッチ動作時の電力ロスが少ないため、省エネ化が可能なほか、高速のスイッチ動作が可能となるため、コイルなど周辺部品の小型・軽量化が可能になるという。

なお、サンプル価格は3000円。4月15日よりサンプル出荷を開始する予定で、2013年中に福山工場の6インチラインで生産開始を目指すという。

定格電圧600VのGaNパワートランジスタ