ノルウェーNordic Semiconductorは、ワイヤレスSoC「nRF51」シリーズを発表した。

同製品は、新たに開発したマルチプロトコル2.4GHz無線ブロックと32ビットARM Cortex-M0コアを搭載、Bluetooth low energyおよびANTSoCソリューションに対応したソフトウェアアーキテクチャにより、設計・開発を迅速かつ簡単に進められるようにした。また、プロトコルスタックとユーザーアプリケーションコード分割することで、アプリケーションとプロトコルスタックとの境界が明確となり、コード開発の簡略化および加速化される他、アプリケーションとスタックコードの統合に付随するリスクも削減される。さらに、アプリケーションのバグ率が下がり、堅牢性が向上するという。

同シリーズは、フラッシュベース製品で、マルチプロトコルBluetooth low energy/2.4GHz独自仕様RFに対応した「nRF51822」と、ANT対応の「nRF51422」がある。

「nRF51822」は、PC周辺機器やインターネット対応テレビのリモコン、スポーツ/フィットネス/ヘルスケア用のセンサ、おもちゃ、オートメーションなど向けで、256KBのオンチップフラッシュと16KB RAM、SPIインタフェース、2ワイヤ、A/Dコンバータ(ADC)、直交デコーダを含む幅広いデジタルおよびミクスドシグナル周辺機器、16のPPIチャネルを、コイン型電池などの3V電池に対応するオンチップのドロップダウンDC/DCコンバータを搭載する。さらに、+/-250ppm 32kHz RC発振器により、外部32kHz水晶発振子不要のBluetooth low energyアプリケーションが実装可能なため、費用を抑えスペースを広く確保することができる。オンチップLDO電源は1.8~3.6V、LDOバイパスモード電源は1.75~1.95V。パッケージは6mm角の48ピンQFNで、最大32本のGPIOを有する完全Bluetoothプロトコルスタックソリューション(リンクレイヤーからプロファイルまですべてをスタック)となっている。

「nRF51422」は、ANTアプリケーション向けシングルチップソリューションで、費用や電力、サイズに制約のあるスポーツやフィットネス、ヘルスケア用のセンサなどに最適となっている。「nRF51822」と同じハードウェアを採用し、「nRF51422」ではS168ANTプロトコルスタックが事前にプログラムされている。S168スタックには、非同期のイベント駆動型SVCベースAPI、ランタイム保護、通信モードBroadcast/Acknowledged/Burst、最大8つのコンカレントANTチャネルといった機能が搭載されている。また、必要なコードスペースが32KB未満、RAMも2KB未満のため、アプリケーションコードには224KBを超えるフラッシュメモリと14KBを超えるRAMを使用することができる。

「nRF51822」と「nRF51422」は主要ユーザー向けにサンプル出荷中。一般発売は2012年9月上旬、量産開始は2012年度第4四半期の予定。

低消費電力のワイヤレスSoC「nRF51」シリーズ