宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月21日、太陽観測衛星「ひので」が撮影した部分日食のX線太陽画像および動画を公開したことを発表した。

今回公開されたX線太陽画像・動画は、"ひので"が2012年5月21日午前6時34分頃(日本標準時)、東シナ海上空からインドネシア上空にかけて飛行している際に遭遇した部分日食に対し、搭載されているX線望遠鏡(XRT)を用いて撮影したもの。月が太陽の南西から現れ、北東に向けて太陽面を横切っていき、太陽コロナを背景に黒い月が通過していく様子を見ることができる。

今回撮影された部分日食の最大食分は80%。"ひので"の飛行速度は時速約27000kmと高速であるため、部分日食の開始から終了までは約17分となっている。

"ひので"は、今回公開された部分日食を含め、地球を約98分で周回するごとに合計4回、日食帯に遭遇したが、そのいずれもが部分日食であったという。

なお、今回撮影されたX線太陽画像・動画はJAXAのWebサイトからダウンロードすることが可能となっている。

「ひので」による日食画像。部分日食開始から2分後(日本時間 6時35分)(左が着色画像、右が白黒画像)(提供:JAXA/国立天文台)

「ひので」による日食画像。最大食(日本時間 6時41分)(左が着色画像、右が白黒画像)(提供:JAXA/国立天文台)

「ひので」による日食画像。部分日食終了の2分前(日本時間 6時48分)(左が着色画像、右が白黒画像)(提供:JAXA/国立天文台)