リコーは8月3日、電子部品やはんだ付け装置などの製造販売を手がけるタムラ製作所と、リコーが開発した「ドライ洗浄に関する技術」についてライセンス契約を8月1日付けで締結したことを発表した。

同ドライ洗浄技術は、数ミリ角の薄片状のフィルムを気流で洗浄対象に吹き付け、その衝突・接触により汚れを除去するという原理に基づくもので、溶剤や水を使わずに、プリント基板の自動はんだ付け工程で繰り返し使用する治具(パレット)に固着した汚れ(はんだフラックス)の洗浄を可能にするもの。リコーでは社内で用いた実験で、環境負荷を最大約10分の1に削減でき、洗浄コストも削減できたとしている。

今回のライセンス契約により、タムラ製作所は同技術を搭載した溶剤レス洗浄装置「ウェーブはんだ付用パレット溶剤レス洗浄装置」の販売を開始したという。同装置を用いると、これまでの人手で溶剤洗浄作業を行った場合、溶剤への浸漬・乾燥時間を含めると一般的に約120分の工程が必要となっていたものを、浸漬・乾燥工程を無くすことができ、パレット1枚当たり2~3分程度で作業を終えることが可能となるという。また、溶剤を一切使用しないため、環境負荷の削減や作業環境の改善にも貢献でき、洗浄コストの削減にもつながるという。

なお、同装置はタムラ製作所狭山事業所のショールームにてデモ機が設置され、実験評価を行うことが可能だ。販売ターゲットは、フローはんだ付工程にてパレットが多く使用される日本国内の産業機器、車載関連の業界を中心に、従来のはんだ付装置の販売チャンネルや、すでにはんだ付装置を導入しているカスタマなどにも販売を展開していき、日本国内での販売が軌道に乗った後は、中国を中心とした海外展開を図り、3年間で100台以上の販売を目指すとしている。