野村総合研究所(以下、NRI)は5月18日、2015年までのソーシャルメディアの進展や企業と顧客との関係への影響に関する予測をまとめた「ITロードマップ」を発表した。

同社は、Twitterをはじめとした新たなソーシャルメディアの登場によって消費者の情報伝達経路や行動パターンに変化が生まれつつあると指摘。「ソーシャルメディアは企業にとって顧客管理関係(CRM: Customer Relationship Management)のあり方に変革を迫る可能性を秘めている」としている。

「ITロードマップ」では、2010~2011年度は「ソーシャルメディアの黎明期」として位置付けられており、企業の現状について「現在のところは広報やマーケティング部門の担当者の属人的なノウハウに頼るケースが多い」とされている。そのため、「既存の顧客チャネルとの有機的な連携は行われず、限定的な利用にとどまっている」という課題が残されている。ただし、欧米では口コミ情報の拡散状況を分析するサービス"リスニング・プラットフォーム"の利用が始まっているように、今後は「ソーシャルメディアの利用拡大によって、企業における組織的な対応が求められるようになる」と同社は予測している。

2012~2013年度は「ソーシャルメディアの発展期」とされている。これにはiPhoneやAndroid携帯を中心としたスマートフォンの普及といった背景も踏まえて「ソーシャルメディアが電子メールと並んで、コミュニケーショーンチャネルとして利用されるようになる」としている。またこの時期には、「消費者が企業に向けて問い合わせや苦情を伝える際にソーシャルメディアを利用する機会が増える」と同社は予想している。先進的なコンタクトセンターを持つ企業は、徐々にこのような環境の変化に対応していくという。

2014~2015年度は「ソーシャルメディアの普及期」とされている。ソーシャルメディア内で消費者が共有するデータの量が増え、企業は消費者の位置情報や(企業が提供する)コンテンツの視聴履歴、他の消費者とのコンテンツの共有状況など、マーケティングの際に必要となる分析対象のデータを、より多く獲得できるようになるという。また同社は、「ソーシャルインテリジェンス」(ソーシャルメディア内での生活者の行動や意図、トレンドなどを分析・理解する能力)による消費者に対する理解が深まり、多くの企業がマス広告やメールマーケティング、Web、コールセンターなどとソーシャルメディアを組み合わせたクロスメディアによるマーケティングキャンペーンに取り組み始めると予測している。

「ソーシャルCRM」のロードマップ