日立製作所は4月27日、2026年3月期の連結決算説明会を開催し、親会社株式に帰属する同期利益が8023億円と、過去最高を更新する形で増収増益となったことを発表。また併せて、同社が推進する経営計画「Inspire 2027」の進捗についても報告した。
過去最高益を達成 - エナジーや国内DSS事業が好調継続
決算説明会に登壇した日立 執行役専務の加藤知巳CFOによると、202026年3月期の売上収益は、前年比で8%増加となる10兆5867億円となった。また調整後EBITA(Adj. EBITA)は1兆3114億円、同期利益は8023億円、コアフリーキャッシュフロー(FCF)は1兆1702億円と、いずれも過去最高を達成。コアFCFについては大型案件の前受金による増加が大きく影響したとしつつも、Inspire 2027で掲げた目標の達成に向け、期初の想定を上回る進捗となったことを明かした。
好調の要因として挙げられたのは、エナジー領域のパワーグリッド事業、デジタルシステム&サービス(DSS)セクターに分類される国内IT事業、そしてモビリティの鉄道信号システム事業とのこと。特にDSSにおいては、国内売上収益が前年比で7%成長と堅調に推移しており、DXやモダナイゼーションにおける市場の拡大は引き続き継続していく見込みだとする。また成長に向けた生産能力増強を行ってきたエナジー領域についても、継続的な成長によって売り上げの拡大が続いているとし、エネルギーインフラ向けの次世代型AIサービス・ソリューション群「HMAX Energy」の提供開始により、今後もさらなる成長が期待できるとした。
また来年度となる2027年3月期の見通しも明かされ、売上収益としては今期比で5%増となる11兆1000億円、同期利益では今期から476億円の成長となる8500億円を目指すと発表された。2期連続での過去最高益達成に向けては引き続き戦略投資を実行していくとのことで、成長をけん引するエナジーやDSSを中心に、主要事業4セクターで増収増益を目指すとしている。
中期経営計画「Inspire 2027」初年度は順調な進捗
また説明会に登壇した日立 代表執行役 執行役社長兼CEOの德永俊昭氏は、Inspire 2027の現時点での進捗についても説明した。
Inspire 2027は、2026年3月期から2028年3月期までの3カ年で掲げられた中期経営計画で、デジタルを中核に据え、社会インフラとAIの融合によって持続的な成長と企業価値向上につなげていくとするもの。日立が掲げる環境・幸福・経済成長が調和した「ハーモナイズドソサエティ」の実現に向け、年平均成長率として7~9%、コアFCF/同期利益(特殊要因除く)の値を示す“CFコンバージョン”が90%超、Lumada事業の売上収益比率50%など、多くのKPIが定められている。
今回の説明会では、注力するLumada事業の成長やAI市場の急拡大などに後押しされ、初年度は順調な進捗となっていることが報告された。德永CEOは「設定した財務KPIのすべてで、前年から大きく成長を遂げることができた」としており、売上収益やCFコンバージョンでは目標水準を達成しており、生産能力増強や開発などに対して5000億円規模の投資を行ったLumada事業の存在感も、エナジー・モビリティ・インダストリーと各業界向けにサービス化が拡大した「HMAX」を基盤に、順調に拡大。一方で規律ある経営の推進も進めているとし、安定した配当成長と機動的な自己株式取得などにより、過去最大規模となる6000億円の株主還元を行ったとした。
德永CEOは、「昨今の不確実な事業環境の中でも、日立は力強く成長できることを示すことができたと考えている」とし、今後も急拡大が続くと予想されるAI市場などを追い風としながら、「Inspire 2027の達成に向けて、真の“One Hitachi”として事業に取り組んでいく」と語った。





