東芝は3月19日、新潟県柏崎市の柏崎フロンティアパークで、同社の新型2次電池「SCiB」量産工場の起工式を実施、建設を開始したことを発表した。工場建設と製造設備にかかる投資額は約250億円で、2010年10月に竣工、2011年春から量産を開始する計画としている。

新たに建設される柏崎工場の外観イメージ

新工場では電動車両用途などに向けたSCiBセル・モジュールの生産が計画されている。生産開始当初の能力は月産50万セルで、車載用途向けの市場が本格化する2011年度中に、生産能力を順次拡大していく予定。新工場は、設備の自由な配置を可能とする「ボールルーム方式」を採用することで、将来の需要や品種の変化にフレキシブルに対応できる構造となる計画で、これにより市場動向にタイムリーに対応する生産体制を構築していくとしている。

同社では、新工場の建設により、電動車両用途向けを中心に、将来的にはスマートグリッドなどで利用される電力貯蔵向けなどの新たな市場における需要急増にタイムリーに対応できる体制を整えることで、2015年度に売上高2,000億円を目指す方針。また、経済産業省が推進する「EV・pHVタウン」に選定され、低炭素社会実現・関連産業の創出を目指す柏崎市と協調しながら、地域社会・経済への貢献も図っていくとしている。

なお、新工場の概要は、鉄骨造3階建で、建築面積は約9,000m2、延床面積は約2万1,000m2、従業員数は150人を予定している。