- 介護福祉士の受験資格が知りたい!
- 介護福祉士の合格率はどのくらい?
- 過去問や解説を詳しく掲載しているサイトが知りたい!
介護福祉士を目指すにあたり、受験資格や合格率など、事前に把握しておくべき重要な項目がいくつかあります。
まずは、受験資格を得るにはどうしたら良いか、どのルートが自分に合っているのかを知ることが大切です。
そして、試験の合格率や合格基準点の傾向から、具体的な学習計画を立てましょう。
この記事では、おすすめの過去問サイトについても紹介します。
これから介護福祉士を目指す方は、当サイトに掲載されている介護福祉士の通信講座についての内容と合わせてぜひ参考にしてください。
→介護福祉士の資格を取るなら!おすすめの通信講座7選と失敗しない選び方の記事はこちら
介護福祉士の受験資格は?
介護福祉士になるには、介護福祉士国家試験に合格しなければなりませんが、国家試験を受けるには受験資格が必要です。
具体的な受験資格ルートは以下の4通りです。
1.養成施設ルート
高等学校等を卒業後、福祉系の大学や専門学校に入学するルートです。
通学期間は基本的に2年以上ですが、福祉系の大学や社会福祉士、保育士の養成施設等を卒業している場合は1年以上で済みます。
◇受験資格が得られる条件◇
1.介護福祉士養成施設で2年以上学び、卒業していること
または
2.福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設などを卒業した後、介護福祉士養成施設で1年以上学び、卒業していること
平成28年度までに卒業した方は、介護福祉士国家試験を受ける必要がありません。
卒業すると、そのまま介護福祉士の資格取得者とみなされます。
平成29年度〜令和8年度に卒業した方は、卒業後5年間の期限付きで、介護福祉士資格を取得した者とみなされます。
ただし、継続して資格を有効にするためには、以下の条件のどちらかを満たす必要があるため注意しましょう。
- 卒業して5年以内に介護福祉士国家試験の筆記試験に合格する
- 卒業後5年間介護業務に従事する
なお、令和9年度以降の卒業生に経過措置はなく、国家試験に合格する必要があります。
2.実務経験ルート
介護の実務経験を活かして、介護福祉士の資格取得を目指すルートです。
現在、介護福祉士を目指す方の大半は、この実務経験ルートで介護福祉士試験を受験しています。
実務経験ルートの受験者は実技試験が免除となり、筆記試験に合格すれば、介護福祉士の資格を取得可能です。
◇受験資格が得られる条件◇
1.介護の現場で3年(1,095日)以上従業し、かつ540日以上従事していること
+
2.実務者研修の講座を修了していること
平成28年度(第29回)試験から上記の実務経験に加え、養成施設等における「実務者研修」の修了が必要になりました。
また、実務経験に加え、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(3号研修を除く)を修了している場合も受験資格者となります。
実務経験証明書とは?
実務経験の方法を選んだ場合、国家試験の受験申請をする際に、介護の実務経験を3年以上行ったことの証明として、実務経験証明書の提出が必要になります。
実務経験証明書は、受験申込者本人による必要事項記入だけでなく、証明者による必要事項記入も必要になります。
証明者は、自分が勤務している(していた)介護事業所の代表者など、証明権限を持つ方です。
受験者が記入する欄が埋まったら、事業所の代表者などに渡して必要事項の記入をお願いしましょう。
このように実務経験証明書は、介護福祉士国家試験を受験するために必須となる書類になります。
3.福祉系高校ルート
福祉系高校や特例高校を卒業し、介護福祉士の資格取得を目指すルートです。
このルートは、さらに3つのパターンに分かれます。
福祉系高校を卒業した場合は、入学年度によって受験資格が変わるため、注意しましょう。
【平成21年度以降に福祉系高校に入学し、新カリキュラムで学んだ場合】
◇受験資格が得られる条件◇
介護実習を含む新カリキュラムを履修して卒業したこと
2009年度以降の新カリキュラムには「介護実習」が含まれるため、実技試験は免除されます。
筆記試験に合格すれば、介護福祉士の資格が取得可能です。
【2008年度以前に福祉系高校に入学し、旧カリキュラムで学んだ場合】
◇受験資格が得られる条件◇
旧カリキュラムを履修して卒業したこと
2008年度以前に入学した方は、筆記試験と実技試験を両方受験する必要があります。
ただし「介護技術講習」を受講した方は、実技試験が免除となります。
【福祉系特例高校を卒業した方】
◇受験資格が得られる条件◇
1.所定の教科目・単位を履修して福祉系特例高校を卒業したこと
+
2.従業期間9ヵ月(273日)以上かつ、従事日数135日以上の介護の実務経験があること
筆記試験と実技試験の両方を受験する必要がありますが、「介護技術講習」を受講した方は実技試験が免除となります。
平成20年度以前に福祉系高等学校(専攻科を含む)に入学し、卒業した方、特例高等学校(専攻科を含む)を卒業し、9ヶ月以上介護等の業務に従事した方が、「実技試験の免除」を申請する場合は、「介護技術講習」、「介護過程」、「介護過程III」のいずれかの修了、または履修が必要です。
4.EPA(経済連携協定)ルート
経済連携協定に基づき、介護福祉士資格を取得するために日本で就労および研修を受けているインドネシア人、フィリピン人、ベトナム人の方(EPA介護福祉士候補者)が、資格取得を目指すルートです。
◇受験資格が得られる条件◇
1.EPA介護福祉士候補者であること
+
2.従業期間3年(1,095日)以上、かつ従事日数540日以上、介護の実務経験があること
筆記試験と実技試験を両方受験するか、「介護技術講習」または「介護福祉士実務者研修」を受講して実技試験を免除されるか、どちらかを選択できます。
なお、当然ながらEPAルートを日本人の方が利用することはありません。
介護福祉士試験の合格率について
介護福祉士試験の合格率は60~70%程度と、難易度はそれほど高くないと言えるでしょう。
合格ラインは筆記試験、実技試験ともに総得点の60%程度です。
ただし、問題の難易度によって点数は補正されるため、実際の合格ラインは毎年異なります。
補正点数とは?
介護福祉士試験の合格点は、60%以上正答の75点前後に設定されており、(全科目125点満点)試験の難易度によって若干の補正がかかり、合格ラインが前後します。
基本的には125問の60%であれば75点以上取れれば合格ですが、試験の難易度が低い場合、合格点を75点にしてしまうと、合格者が膨大な数になってしまうため、試験実施後に例年とレベルを合わせるよう合格点を補正することになります。
これが「難易度による補正」です。
過去5年間の合格基準点は、以下の通りです。
実施年数 | ◆筆記◆ 合格基準点/総得点 |
◇実技◇ 合格基準点/総得点 |
令和5年(第36回) | 67点/125点 | 53.33点/100点 |
令和4年(第35回) | 78点/125点 | 53.33点/100点 |
令和3年(第34回) | 75点/125点 | 53.33点/100点 |
令和2年(第33回) | 77点/125点 | 53.33点/100点 |
令和元年(第32回) | 72点/125点 | 46.67点/100点 |
72点の年や、77点と高い点数を合格基準点にした年もありました。
それらも踏まえ、本番前には予想問題で確実に70%以上となる、「87点以上」を取れるようにしておきましょう。
また合格には、実技11項目すべての出題分野から得点を獲得する必要があります。
すべて不正解の科目群があれば、基準点を上回っていても不合格となるため、注意しましょう。
模擬試験などでも合格基準点を気にしながら、項目別の弱点をしっかり補うことが大切です。
過去10年間の介護福祉士試験合格推移
介護福祉士の過去10年間における合格率は以下の通りです。
区分 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第36回 | 74,595 | 61,747 | 82.8 |
第35回 | 79,151 | 66,711 | 84.3 |
第34回 | 83,082 | 60,099 | 72.3 |
第33回 | 84,483 | 59,975 | 71.0 |
第32回 | 84,032 | 58,745 | 69.9 |
第31回 | 94,610 | 69,736 | 73.7 |
第30回 | 92,654 | 65,574 | 70.8 |
第29回 | 76,323 | 55,031 | 72.1 |
第28回 | 152,573 | 88,300 | 57.9 |
第27回 | 153,808 | 93,760 | 61.0 |
ほとんどの年において60%以上の合格率で推移しており、2021年に行われた第33回(令和2年度)介護福祉士国家試験の合格率は約71%と高い合格率です。
合格率の上昇理由は、試験難易度の緩和や、試験対策テキスト、講座の充実などが考えられます。
さらに、高齢化社会に伴う介護の需要増加も、試験の合格率を高める要因と言えるでしょう。
高齢者人口が増えるにつれて、専門性の高い介護福祉士は、今後さらに需要が高まってくることが予想されます。
第36回介護福祉士試験の合格に関するデータ
第36回介護福祉士国家試験は、2024年1月28日(日)に筆記試験、2024年3月3日(日)に実技試験が実施されました。
3月25日に公開された合格発表をもとに、合格率や難易度を振り返っていきます。
受験者数 | 74,595人 |
合格者数 | 61,747人 |
合格率 | 82.8% |
合格基準(筆記試験) | 総得点125点に対し、得点67点以上
試験で出題される「11科目群」全て1問以上正解すること |
合格基準(実技試験) | 総得点100点に対し、53.33点以上 |
第36回筆記の合格基準
合格するには以下2つの条件が必要です。
- 総得点125点に対し、得点67点以上(全125問/1問1点)
- 11科目群すべて、最低1問は正解すること
毎年総得点の60%程度を基準に、その年の問題の難易度によって補正されるため、第34回試験でいえば3点補正されたことになります。
第36回実技の合格基準
合格条件は点数のみ、総得点100点に対し、53.33点以上の得点が必要です。
毎年総得点の60%程度を基準に、その年の問題の難易度によって補正されます。
第35回介護福祉士試験の合格率と傾向
第35回介護福祉士国家試験の合格率は82.8%でした。
筆記に限っていえば、合格基準点は令和元年度に上がっていたものが再び下がっています。
また、合格基準点は「総得点の60%程度(75点)とし、問題の難易度によって補正される」とされていますが、今回は特に目立った変更がありませんでした。
合格基準点は毎年変わるため、総得点の60%(75点)以上は確実に獲得できるように対策する必要があります。
今回(第33回)も含め、ここ数年の合格率が70%前後で推移しているため、介護福祉士国家試験は合格率が高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、難関国家資格と呼ばれるものには合格率が10%以下の試験もあります。
受験資格や試験形式などによっても異なるため、合格率だけで難易度を測ることはできませんが、介護福祉士は国家資格の中では取得しやすい資格と言えるでしょう。
介護福祉士試験の過去問・解説掲載サイト
介護福祉士の過去問、そして解説掲載サイトについてご紹介します。
過去問.com
過去問.com(過去問ドットコム)は、過去問と予想問題の解説が付いた無料問題集で、パソコンやスマートフォン(スマホアプリ)から無料で利用可能です。
1問1答形式で解答・解説を確認でき、試験問題をランダムに出題する機能も備えています。
介護福祉士の過去問を第33回(令和2年度)~第21回(平成20年度)まで無料で公開しており、全問正解するまで過去問を解き続けることで、脳への定着がさらに高まるでしょう。
さらに、過去問から好きな年度・ジャンルを選んで出題したり、誤答問題のみを再出題したり、さまざまな方法で飽きることなく学べるのも魅力です。
過去問クイズ
過去問クイズはその名の通り、資格の過去問をクイズ形式で出題します。
リアルタイムに正誤判定をするため、緊張感を持った学習が可能です。
全問解答後、間違えた問題のみ再出題されるため、苦手な問題を徹底的に克服できるでしょう。
第33回から第21回までの介護福祉士過去問を解説付きで出題しており、合格基準に準拠した採点及び合否判定、リアルタイムな採点および合否判定、復習機能付きで、万全な学習サポートが魅力です。
介護福祉士合格アプリ【中央法規】
中央法規出版の「介護福祉士国家試験対策アプリ」は、基礎知識から試験当日まで幅広く活用できる内容となっており、スキマ時間の弱点強化ドリルとしても利用可能です。
過去3年分(第33回~第35回)の試験問題と解説を収録しているため、出題傾向や自身の実力を確認するのに最適です。
過去問の出題傾向を分析した模擬問題では、充実した解説を活用することで、本試験で発揮できる力を身に付けられるでしょう。
ジャンルごとに問題が出題され、ランダム出題、クリップした問題だけの出題など、アプリならではの使い勝手の良さが、学習意欲をさらに高めてくれます。
介護福祉士の受験資格:まとめ
介護福祉士の受験資格と合格率、過去問についてご紹介しました。
介護福祉士試験には、受験するための条件(受験資格)が設けられているため、自分が受験資格を満たしているか、事前にしっかり確認しておく必要があります。
試験の平均合格率は70%前後で推移しており、難易度はそれほど高くありませんが、確実に合格するためには、万全な学習対策が必要不可欠です。
独学で勉強する場合は、過去問を繰り返し解いて知識を定着させましょう。
学習アプリケーションは、解説付き・年号別・ランダム出題など、さまざまな工夫が施されているため、自身にあった使い方で着実な合格を目指せます。
これから介護福祉士を目指す方は、当サイトに掲載されている介護福祉士の通信講座についての内容と合わせて、ぜひ参考にしてください。