行政書士は独学で合格できる?おすすめの勉強法やテキストについて解説!

「街の法律家」と呼ばれる行政書士は難関国家資格に位置づけられ、年々受験者数が増加している人気の職業です。

行政書士の資格取得を目指す場合、大半の方が予備校や通信講座を利用しますが、中には独学で試験に挑み、合格を勝ち取る方も存在します。

今回は、行政書士を独学で目指せるのか、また独学で挑む際のメリットや勉強法を一緒に解説します。

当サイトでは、行政書士の通信講座についても解説しているので、あわせてご覧ください。

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目次

行政書士は独学で合格できる?

行政書士を目指すにあたって、さまざまな理由から独学を選択する方がいます。

しかし、独学で合格できるのか不安に思う方も少なくないでしょう。

結論からいえば、独学でも十分に合格できる可能性があります。

予備校や通信講座のようにプロのバックアップがある方法と比較すると合格率は下がりますが、独学ゆえの難しさを理解しておけば、対策も立てられるでしょう。

この章では、独学特有の難しさを4つ解説します。

効率的な勉強が難しい

独学で挑む場合、最初の壁となるのが勉強の進め方です。

行政書士は試験科目が多く、効率的に勉強を進めないとあっという間に1年が過ぎてしまいます。

予備校のようなカリキュラムに沿った勉強ができない以上、いかに適切な学習計画を自ら立てられるかが鍵です。

最近の参考書は分野ごとに重要箇所が一目でわかるよう工夫され、使い勝手に優れていますが、試験範囲を網羅するのは難しいでしょう。

モチベーションの維持が難しい

独学は常に孤独との戦いであり、モチベーションの維持がとても重要です。

受験までの1年間、どんなに自己管理のできる方であっても怠け心は現れるものですが、その際にうまく軌道修正できる方が合格を勝ち取れます。

独学の場合は、勉強するのも怠けるのもすべて自分次第です。

先生からの叱咤や定期テストもないため、虚しさや不安を感じる方も増えます。

「最後は自分との戦い」とよく聞きますが、まさに独学の方には強く当てはまる言葉です。

参考書選びが難しい

行政書士を受験しようと決めた方がまず取り掛かるのが参考書選びですが、自分にあった行政書士の参考書を手に入れることは想像以上に難しい作業です。

そもそも初学者が中身を見て、どれが優れた参考書か判断するのは不可能であり、参考書選びで満足しても困ります。

参考書選びに悩んだ方は、有名予備校が出版している参考書や図解を多用している参考書を手に取るのがおすすめです。

あくまでも、購入した参考書を読破することが大切ですよ。

質問や相談ができない

独学の一番辛いところは、わからない問題を質問・相談できない点です。

解答書を見て理解できれば問題ありませんが、わからない問題をそのままにするのは受験生にとって致命的なため絶対にやめましょう。

インターネットやSNSを利用して何とか乗り切った方もいるようですが、情報の正確性という観点からは疑問が残ります。

身近に法律に詳しい方がいない方は、予備校など専門家に質問できる環境を作るのがおすすめです。

行政書士の合格率

ここまでは独学で合格することの難しさを解説しましたが、実際にどの程度の割合で合格しているのでしょうか。

まずは、直近10年ほどの行政書士試験合格率を見ていきます。

【行政書士試験合格率(平成24年度~令和5年度)】

年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率
平成24年度 59,948 5,508 9.2%
平成25年度 55,436 5,597 10.1%
平成26年度 48,869 4,043 8.3%
平成27年度 44,366 5,820 13.1%
平成28年度 41,053 4,084 10.0%
平成29年度 40,449 6,360 15.7%
平成30年度 39,105 4,968 12.7%
令和元年度 39,821 4,571 11.5%
令和2年度 41,681 4,470 10.7%
令和3年度 47,870 5,353 11.2%
令和4年度 47,850 5,802 12.13%
令和5年度 46,991 6,571 13.98%

年度によって少々バラつきがあるものの、10%前後の合格率で安定しています。

もちろん10%の合格者の大半は、どこかの予備校に所属しているため、独学の合格率は10%を大きく下回るのが現実です。

合格者のうち独学で挑んだ方が10%だった年もあり、いかに狭き門であるかがわかります。

しかし、近年独学による合格者が増加傾向にあるという情報が公開されました。

最大の理由は、YouTubeによって現役行政書士の授業が受けられるようになったためです。

今まで予備校に通うことで得られた情報や知識をパソコンやスマートフォン1台で手に入れられる時代になりました。

今はまだ、予備校に通う受験生が圧倒的ですが、今後は独学で合格を掴む受験生がさらに増加するかもしれません。

行政書士を独学で目指すメリット

独学で行政書士を目指す理由はさまざまですが、独学ならではのメリットが2点ほどあります。

予備校に通うか、独学で挑むか悩んでいる方は独学のメリットを確認して決断すると良いでしょう。

メリット①:費用が抑えられる

独学最大のメリットは、受験に向けた費用を抑えられることです。

例えば、予備校の通信講座を利用した場合は10~20万円が必要になります。

一方、独学の場合は、市販のテキストと問題集を購入するだけなので2万円程度で済みます。

メリット②:好きな時間・好きな場所で勉強できる

独学の場合、時間と場所を確保できれば、いつでも勉強を始められます。

予備校に通ったり、オンライン授業を受けたりといった時間の制限がないため、学習計画も立てやすいでしょう。

自宅での勉強に集中できない方は、街中のカフェで勉強すると気分転換になります。

行政書士を独学で目指す方におすすめの勉強法

独学で行政書士を目指すと決めたものの、どうやって勉強すればよいか悩む方もいるでしょう。

この章では、テキストや問題集の購入を始め、5つのステップについて解説します。

ステップ1:テキスト・問題集を購入する

最初のステップは、行政書士合格に向けたテキスト・問題集の購入です。

最寄りの書店やインターネットを活用して自分に合ったテキストを見つけて下さい。

しかし、行政書士の参考書は数多く出版されており、手に取ったテキストが正解かどうか不安になる方もいるでしょう。

そんな方は以下の3点に注意したテキスト選びをおすすめします。

行政書士の正しいテキスト選び(独学向け)
  • 基本テキストを選ぶこと
  • 丁寧な解説が記載されたテキストを選ぶこと
  • イラストや図表を使ったメリハリのあるテキストを選ぶこと

行政書士のテキストは基本テキスト・入門テキスト・要点テキストに大きく分けられます。

初学者で法律のイメージを構築したい方は、入門テキストの購入も有効的ですが、基本テキストから勉強を開始しても全く問題ありません。

法律に関して丁寧な解説が記載され、イラストや図表を使ったメリハリのあるテキストなら、楽しみながら勉強ができます。

ステップ2:テキストを一周して全体像を掴む

テキストを購入したら、まず最後のページまで通しで読むことが大切です。

この段階では、細かい知識を身につける必要はなく、どんな勉強をこなしていくのかを把握できれば問題ありません。

テキストの1ページ目から一語一句覚えたくなる気持ちもわかりますが、効率的とは言えず、重要な箇所を結び付けるのが難しくなります。

ステップ3:科目ごとにテキストと問題集を解く

全体像の把握が終わったら、章ごとに理解度を深めていきます。

テキストの重要部分にチェックを入れる方法や音読をして耳から記憶に訴えかける方法がありますが、特に後者はおすすめの勉強法です。

1つの章を読破したら、必ず問題集を解いて理解できているか確認して下さい。

間違えた問題は解説を読み、テキストの同部分に印を付けておくと、復習の際に便利です。

ステップ4:過去問を3~4年分解く

問題集を繰り返し解いて、ある程度自信がついた方は過去問にチャレンジしましょう。

行政書士の過去問は、最低でも3~4年分は解いておくのがおすすめです。

過去問を通して、出題傾向を掴んだり、自分の苦手分野を把握したりできれば、本番に向けてプラスに働きます。

しかし、10年以上前の過去問になると、法改正前で現在とは違う知識を覚えてしまう可能性があるため注意が必要です。

ステップ5:模擬試験を受ける

独学の総仕上げとして各予備校で開催される模擬試験を受けましょう。

模擬試験に参加することで、試験本番の緊張感を味わえたり、合格までの距離感を計ったりできます。

模擬試験は1回数千円で受験ができるため、積極的に参加するのがおすすめです。

行政書士を独学で目指す方におすすめのテキスト

行政書士・本で検索すると凄まじい量のテキストが表示されます。

「行政書士のテキストを購入したいけど、どのテキストを選べばよいかわからない」そんな方もいるでしょう。

そこで本章では、行政書士を独学で学びたい方におすすめのテキストを4つ紹介します。

いずれも丁寧な解説に加え、イラストも多用されているため使い勝手が抜群です。

うかる行政書士!シリーズ

テキスト名 うかる!行政書士総合テキスト2024年度版
出版社 日本経済新聞出版社
ページ数 840ページ
カラー/モノクロ フルカラー
寸法 21×14.8×2.5cm
価格 3,300円(税込)

「うかる!行政書士総合テキスト」は、伊藤塾が編集した基本テキストです。

法律を視覚的に捉えるための図や表が盛りだくさんで、メリハリが付くようにチャプターごとに重要度分けがされています。

また、インプットした知識を一問一答式の確認問題によってアウトプットできるため、楽しみながら勉強が可能です。

本書を利用する方は「うかる!行政書士総合問題集」を併用すると、より効率的に勉強できます。

合格革命・行政書士シリーズ

テキスト名 2024年度版合格革命行政書士基本テキスト
出版社 早稲田経営出版
ページ数 1,108ページ
カラー/モノクロ カラー
寸法 21×14.8×2.5cm
価格 3,300円(税込)

「合格革命行政書士基本テキスト」は、分かりやすさに特化したテキストです。

重要ワードが一目で分かり、用語の説明が真横に掲載されているのでスムーズに勉強ができます。

また、図や表から法律の具体的なイメージが想像しやすく、細かい受験テクニックがちりばめられているため実用的と言えるでしょう。

みんなが欲しかった!行政書士シリーズ

テキスト名 みんなが欲しかった!行政書士の教科書2024年度
出版社 TAC出版
ページ数 1,204ページ
カラー/モノクロ カラー
寸法 21×14.8×2.5cm
価格 3,300円(税込)

「みんなが欲しかった!行政書士の教科書」は、通信講座でもおなじみのTACが手がけた書物です。

表表紙に「初学者も独学者もどんどん理解できる!」と掲載されているように、最初から最後までスラスラと読めます。

ページ数が1,204ページほどあるため、非常に重量感がありますが、持ち運ぶ際は5つに分けられるため心配ありません。

試験の合否に直結する重要箇所が明記されているため、どこを勉強すれば良いかが一目瞭然です。

出る順・行政書士シリーズ

テキスト名 2024年度版出る順行政書士合格基本書
出版社 東京リーガルマインド
ページ数 815ページ
カラー/モノクロ モノクロ
寸法 21×14.8×3.9cm
価格 3,080円(税込)

「出る順行政書士合格基本書」は、見開き完結型と呼ばれる書物で、一項目を見開きページだけで覚えられるのが特徴です。

そのため、テキストのページ間を行ったり来たりする必要がなく、テンポ良く勉強ができます。

また、項目ごとに東京リーガルマインド専任講師のアドバイスが掲載されており、より深い知識を得られるのがポイントです。

行政書士を独学で目指す場合の注意点

ここまでは独学での勉強法やテキストについて解説しましたが、この章では独学ならではの注意点を2つ説明します。

いずれも合否に関わるため、心掛けて下さい。

古いテキストの利用を避ける

勉強で利用するテキストは、必ず試験年度に対応したものを購入しましょう。

今の時代、Amazonやメルカリを使ってテキストを安価で購入できますが、行政書士の試験内容は年々変化しています。

典型的な例が法改正で、同一年度であっても注意しておくべき範囲です。

金銭的に多少余裕がある方は、必ず最新版のテキストを活用しましょう。

インターネットの情報は正確とは限らない

勉強中にわからない問題があった場合、インターネットやSNSを活用して解決する方が増加しています。

ましてや、質問する相手がいない独学の方はインターネットに頼らざるを得ないケースがあるでしょう。

しかし、Web上に存在する解答は正確ではないものも多数あります。

勉強中に疑問が生じた場合は、図書館で調べたり、予備校の質問コーナーを利用したりなどさまざまな対処法を講じましょう。

行政書士の勉強法:まとめ

今回は独学で行政書士に合格するための勉強法やテキストを紹介しました。

確かに予備校で勉強すると便利なこともありますが、行政書士であれば独学でも充分合格を目指せます。

独学で挑むと決めた方は、今回紹介した注意点に気をつけながら合格を勝ち取って下さいね。

通信講座の利用を検討している方は、当サイトで掲載中の行政書士の通信講座に関する記事も、ぜひあわせてご覧ください。

行政書士の通信講座記事はこちら

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編集者

キャリアコンサルタントの国家資格を所有しています。実際に資格取得で役に立った情報をお届けしていきますので、これから資格取得を考えているあなたの手助けができれば幸いです。

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