昔の住宅に多い「風呂釜」とは?
風呂釜は正式には「バランス釜」と呼ばれ浴槽の横に湯沸し器がついている形式のもので、バランス釜(風呂釜)には以下のような種類があります。
- 追い焚き専用タイプ
- シャワーのみのタイプ
- 追い焚き・シャワー同時使用タイプ(浴室内のみ使用可能)
- 追い焚き・シャワー同時使用タイプ(浴室内外で使用可能)
上記4種類のバランス釜に共通する仕組みとして、湯沸し器から連絡管がつながっておりお湯を供給します。
浴槽にあらかじめ溜まっている水を、バランス釜にある湯沸し器が吸い上げてお湯をつくり、温まったお湯は浴槽に戻されます。
仕組み上、浴槽のお湯がバランス釜の水温より低くなりますが、追い焚きを行うことでもう一度水温を上げることができます。
また、バランス釜は電気ではなくガスで水を温めるため、ガス排気口が設置されており、その際に新しく外気と換気する給気口もあります。
風呂釜の修理が必要な症状例
下記に代表する不具合が発生した場合は、風呂釜を修理する必要があるため注意しましょう。
- 点火がうまくできない
- お湯の温度調整がうまくできない
- 着火のときの異音
- 風呂釜から異臭
風呂釜の耐久年数は約10年前後になり、7年から8年でこのような不具合が出ることがありますので、詳細をご紹介していきます。
症状1.点火がうまくできない
水を沸かすために点火が必要ですが、着火しない場合があり、点火がうまくできない場合は、種火の点火に不具合がある場合が多いです。
例えば、操作つまみがゆるくなったり、かたくなったりして一度で点火できなくなる場合があります。
それ以外にも点火した際に爆発音のような「ポン」という音がしたら故障していることが多く、点火プラグが故障している、点火プラグがサビているなどの原因が考えられます。
なかなか点火できない、点火に時間がかかる、「ポン」という爆発音が聞こえる場合は、交換のタイミングです。
症状2.お湯の温度調整がうまくできない
お湯の温度調節がうまくできなくなることは、風呂釜の調子が悪い場合のよくある事例です。
例えば、内部の温度計や水温計の位置がズレていると、温度調節に不具合が発生し、お湯の温度調整がうまくいかない場合があります。
温度調節に違和感があれば、修理や交換のサインです。
症状3.着火のときの異音
点火する場合に発生する異音として、先ほど少し触れたように「ポン」「パン」という爆発音、破裂音がすることがあります。
通常はガスが燃焼する音が聞こえてきますが、通常は「ボッ」という音が聞こえるはずですが、例えば「ピー」という笛のような音がした場合は、ファンモーターが故障している音です。
また、「キーン」という高い音が聞こえた場合は、「ウォーターハンマー現象」と呼ばれており配管が破裂する予兆として知られています。
ほかにも、今まで聞いたことがない音が聞こえた場合は、火災などのトラブルが発生するおそれがあるため、早急な修理・交換が必要です。
症状4.風呂釜から異臭
風呂釜からガスによる異臭がした場合、修理が必要になる可能性があります。
バランス釜が劣化してしまうとガス系統や電気系統の配管が緩み、ガスが漏れやすくなります。また、生臭いにおいがした場合は、コバエが湧いている可能性もあります。
掃除をあまりしていないと、皮脂汚れや石鹸カスなどが原因でコバエが発生しやすくなり、風呂釜も長く使うと汚れも溜まりやすくなるため、注意が必要です。
また、ガスの異臭が近所からのクレームにつながるほか、火災の原因になるケースも少なくなりません。異臭がした場合は早急に交換や修理を行いましょう。
風呂釜の故障、修理or交換の判断基準と費用
風呂釜が故障した場合、修理するか交換するかは、判断が分かれるポイントです。
ここでは、修理と交換の判断材料を紹介して、ケースに合わせて修理か交換かどちらがよいのか解説していきます。
風呂釜の修理について
まずは、修理で対応できるケースについて紹介します。
- 燃焼装置の故障 修理費用は約20,000円~
- 電装系統の故障 修理費用は約5,000円~
- 安全装置の故障 修理費用は約8,000円~
- 制御機器の故障 修理費用は約10,000円~
上記は部品交換のみで対応可能ですが、風呂釜の耐久年数を考えた時に、使用期間が7年以下の場合は修理で対応でもよいでしょう。
耐久年数の上限は基本的に約10年のため、10年に近いほど他のパーツも壊れやすく、結果として交換したほうがお得になる可能性があります。
風呂釜の交換について
つぎに交換したほうがよいケースについて紹介します。
- 耐久年数の超過の場合 交換費用は約15万円~(新しい風呂釜へ交換)
- 風呂釜本体を交換 交換費用は約15万円~
- 風呂釜からユニットバスに交換 交換費用は約50万円~
やはり耐久年数が10年であるため、長期利用できるユニットバスへの交換も検討するとよいかもしれません。
自分で風呂釜を修理・交換するのはやめましょう
風呂釜を自分で修理、交換したいという方もいると思いますが、ご自身での風呂釜の修理や交換は大きなリスクがともなうためおすすめしておりません。
理由としては以下のようなものが挙げられます。
- 風呂釜の内部構造が複雑であること
- 電気系統や燃焼系統の修理・交換には専門資格も必要であること
まず、風呂釜の内部構造は非常に複雑になっており、一般の方では配線や修理方法などがわからないというケースも多く、安易に自分で修理・交換を行おうとするとうまくいかないだけではなく、事故に繋がる可能性もあります。
また、ガス器具の設置には必要な資格があり、例えば「ガス設備士」や「ガス機器設置スペシャリスト」等を取得していないと修理・交換を行ってはいけません。
以上の理由から、素人がうかつに手を出してしまうと、かえって火災のリスクが上がったり、機械が動かなくなったりするおそれがあるため、風呂釜の修理交換は専門業者に依頼しましょう。
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リフォームするという選択肢も視野に!
風呂釜本体を交換する場合は、ユニットバスにリフォームしてしまうことも可能で、選択肢としては以下の2つがあります。
- ホールインワンタイプへの交換
- ユニットバスへの交換
ユニットバスのメリットには、浴槽を広々と使える点や、メンテナンスの手間や掃除の手間が少ない点が挙げられるため、お風呂を満喫したい方にユニットバスはかなりおすすめといえるでしょう。
空き家をリノベーションする場合は、風呂釜をユニットバスに変更すれば、家賃収入や売却額を増やせるかもしれません。
しかし、古い住宅ではユニットバスが入らない可能性もあります。この場合は浴室自体を解体して、ユニットバス規格の大きさまで広げる必要があるため、費用がかなり高くなってしまうでしょう。
1.ホールインワンタイプにする場合
ホールインワンタイプは浴槽の種類であり、壁貫通型ガスふろ給湯器と併用されることが一般的です。
ホールインワンタイプのメリットとして下記3つがあります。
- リモコン操作が可能
- 温度管理が可能
- 安全装置が搭載されている
ホールインワンタイプに交換する場合の相場価格は15万円以上を見ておくとよいでしょう。
また、施工費用としておおよそ15,000円以上かかることが一般的であり、4時間程度で設置が完了します。
2.ユニットバスにする場合
ユニットバスに交換するメリットとして下記3つがあります。
- 耐久年数が15年~20年程度
- 足を伸ばしてお湯につかることができる
- 掃除などメンテナンスが楽
ユニットバスに交換する相場価格として50万円~150万円程度が相場ですが、製品本体価格によって料金が大きく異なります。施工期間は4日~1週間程度が一般的です。
風呂釜修理で業者を選ぶときのポイント
風呂釜修理で業者を選ぶときのポイントとして重要なのが、「口コミ」があります。
口コミは実際に依頼したユーザーが発信している場合が多く、生の声を確認できます。
しかし、投稿者が誰かわからない場合や、写真やプロフィールがない場合はやや信頼性に欠けることもあるため、実名で写真付きの口コミが比較的信頼できます。
また、見積もりを取った際に相場価格より高くないか確認することも重要です。
格安をうたう業者でも怪しい場合もありますが、価格を確認して口コミを確認することである程度悪質業者を防ぐことはできるでしょう。
まとめ
自分で風呂釜を修理・交換を行うのは大きなリスクをともないます。
故障かなと感じたらすぐに専門業者に依頼しましょう。口コミや価格、HPを確認して業者を選ぶことで、よりよい業者を見つけることができるでしょう。
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