毎年1月2日・3日に開催される『箱根駅伝』。毎年このシーズンを楽しみにしている方も多いでしょう。駅伝は、観戦の知識と競技の魅力を知れば知るほどドラマチックに楽しくなります。

法政大学陸上競技部駅伝監督・坪田智夫氏が監修した『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』(メイツ出版刊)より、「PART3 他とはココが違う! 箱根駅伝」の一部を抜粋してご紹介します。

全5回の連載、第3回は「選手のエントリー」です。

選手のエントリー - 予備選手を含めた選手のエントリーと年末の各区を走る選手の発表

  • 『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』(メイツ出版刊)より

選手の発表は3段階で行われる

箱根駅伝のメンバー発表は、サブメンバーも含めたエントリーから、最終的に走る選手が確定するまで3段階にわけて行われます。

まず各校は16名の選手をエントリーします。熱心なファンは、このエントリーから注目していて、誰がどこを走るのか予想するという楽しみがあります。次に各区に選手がエントリーされて、発表されます。

ここで誰が何区を走るかが決まります。そして、最終エントリーは当日6時50分。コンディション不良や戦略的な交代ができることになっています。

  • 『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』(メイツ出版刊)より

CHECK:16名の選手をエントリー

本番で走るのは10名ですが、予備の選手6名を加えた16名を12月10日までにエントリーして発表されます。監督によっては、すでに担当の区まで決めていて選手に伝えています。選ばれた選手は本番へ向けて最終調整をしていきます。

CHECK:選手入れ替えのリミット

大会の当日は、選手はまだ真っ暗なうちから身体を動かしてコンディションを確かめます。そこで自分のコンディションを監督に報告します。監督は1区と6区の選手しか直に確認できません。選手入れ替えのリミットはレースの1時間10分前、6時50分です。


今回一部を抜粋した『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』には、「駅伝」の魅力と競技の特性、箱根駅伝のコースマップや他の駅伝と異なる「箱根駅伝」独自の特徴も紹介されています。読めば駅伝がさらに面白くなる一冊、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』(メイツ出版刊)

  • 『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』(メイツ出版刊)

★応援・観戦がもっとドラマチックに楽しくなる!
★歴史から名勝負、裏側まで。

監修者からのコメント

陸上競技は、他のスポーツと比べて戦術や戦略が勝敗を左右することが少ない競技です。

たとえばサッカーなら、試合結果やゴールやアシストなどと同じくらいのウェイトで、だれをどのポジションで起用するとか、選手交代はどうするかといった要素でファンは盛り上がります。野球でも、送りバントかエンドランかとか、バッテリーの配球は? といった話題でファン同士が議論になるほどです。

でも陸上は、結局は強い者が勝つ。
身も蓋もないかもしれませんが、やっぱりそれ以外の要素が入り込む余地は他の競技に比べて圧倒的に小さいのです。

では駅伝はというと…。
優勝チーム予想などは10000mのベストタイムなどをベースに行っていますが、私は10000mのベストタイムは参考にしかならないと思っています。

その理由はトラック競技と違って、コースが一般道であること。レースは数時間に及ぶため、気象条件などがスタートとゴールでは変わってくること。この他にも駅伝では様々な要素が絡んでくるのです。

こうした不確定要素も含めて、ファンの方は駅伝に魅力を感じているのではないでしょうか。
本書では、そんな駅伝の裏側や魅力を伝えられたらと思っています。

法政大学陸上競技部駅伝監督
坪田 智夫

『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』
坪田智夫 監修
定価:1,892円
仕様:A5判128頁
発行年月日:2023年11月30日
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