![G大阪MF満田誠 [写真]=元川悦子](index_images/index.jpg)
長谷川健太監督時代の2015年の天皇杯を最後に、名門・ガンバ大阪は10年間タイトルから遠ざかっている。その後はレヴィー・クルピ、宮本恒靖、片野坂知宏、ダニエル・ポヤトスといった指揮官が采配を振るってきたが、なかなか頂点に手が届いていない。
こうした停滞感を払拭すべく、2026年はドイツ人のイェンス・ヴィッシング監督を招聘。12〜25日の沖縄キャンプでは連日2部練習を行って、フィジカル強化を図るとともに、縦に速いスタイルを浸透させていった。
「練習は2分とか2分半くらいでフルパワーを出すようなメニューが多いので、選手も全部を出し切れる。すごくやりがいがありますね。全体練習後の筋トレやサーキットを含めて負荷が物凄く高いけど、監督も尊敬できる人ですし、僕はすごく楽しんでます」。指揮官と同じ88年生まれの倉田秋も明るい表情で話したが、ハードメニューの中にもピリッとした空気がチーム全体に流れていたのは前向きな要素と言っていい。
最終日には北海道コンサドーレ札幌との45分×3本の練習試合を消化。デニス・ヒュメット、宇佐美貴史、唐山翔自、當野泰生のゴールで4-1の勝利を挙げた。1本目でトップ下に入った満田誠もアグレッシブな姿勢でアピール。決定的なシュートチャンスを逃したのは痛かったが、着実に調子を上げている様子だ。
「今季に入って走力向上の練習や筋トレも増えて、僕自身もポジティブにやっています。監督はハードワークを基盤にチーム作りを進めている。同じドイツ人の(ミヒャエル・)スキッベさん(現ヴィッセル神戸監督)と似てるようで違うところも沢山あるなと感じます。そういう中、自分は昨年も見せていたハードワークや献身性の部分をベースに、ゴール・アシストというところにこだわっていきたい。百年構想リーグの試合数が半分ということを考えると、5ゴール・5アシスト以上行ければ良い成績かなと。それを狙っていきたいと思います」と攻撃のキーマンになるべきアタッカーは力を込めていた。
昨季はサンフレッチェ広島からの期限付き移籍だったが、今季からは完全移籍へ移行。背番号も51から6へと変更し、名実ともに“ガンバの男”として2026年の戦いに挑むことになる。「番号は自分的に何か意味があって変えたわけじゃないですけど、今年から完全になったので、ガンバのためにできることをやって、昨年以上にチームに貢献してタイトルを取るために戦っていければいいと思います」。
「チームとして得点力を引き上げることも一つの重要なテーマ。そのためには積極的にシュートを狙うことじゃないですかね。どれだけいいサッカーをしていても、シュートが少なかったら点は取れないんで。ゴール前での積極性をみんなが持ってチャンスを増やせれば、自ずと得点力も上がってくると思います」と満田はギラギラ感を前面に押し出して、貪欲に結果を突き詰めていく構えだ。
流通経済大学からプロ入りした2022年は9ゴールをマークし、日本代表にも抜擢されている。しかしながら、その後は数字面で下降線を辿っており、その事実に本人は決して納得はしていない。広島時代はシャドーのみならずサイドやボランチで使われ、ガンバに赴いてからもボランチに入るケースが多々あった。それが現状を招く大きな要因になっているのは確かだ。けれども、ヴィッシング監督体制では2列目に固定される見通し。トップ下候補者には宇佐美と倉田もいて、非常に競争は厳しいが、持ち前の“走力”と“怖さ”を遺憾なく発揮して、違いを見せていくしかない。
「思い切りの良さだったりがここ数年、自分的にもなくなってきているのかなと感じる部分はあります。だからこそ、もう一回初心に返るじゃないですけど、怖さをしっかり出していきたい。前に出る回数、良い状態でフィニッシュに持っていける回数を増やすことが重要になると思います」と今年27歳になる満田は勝負をかけるつもりだ。
ガンバは目下、25−26シーズン・AFCチャンピオンズリーグ2のグループFで断トツのトップに立っていて、そちらでも躍進できるチャンスがある。ファイナルまで勝ち上がれば、クリスティアーノ・ロナウド擁するアル・ナスルと対峙できるチャンスが巡ってくるかもしれない。まだ大きな国際舞台に立ったことのない満田にしてみれば、そちらの大きなモチベーションに違いない。
「百年構想リーグで優勝してACLエリートの出場権を取りたいし、今戦っているACL2でも優勝に向かっていきたい。そのために全力で頑張ります」。こう目を輝かせたプロ5年目のアタッカーが名門ガンバ復活の原動力になってくれれば理想的。満田が“タイトルを取らせる男”になってくれることを、新指揮官もチームメートもサポーターも強く願っているはず。今季は新6番の大ブレイクに期待したいものである。
取材・文=元川悦子