きょう23日に最終話を迎える、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『あたりのキッチン!』(毎週土曜23:40〜)。同作で主演を務める女優・桜田ひよりが撮影を振り返った。

  • 桜田ひより =東海テレビ提供

■渡部篤郎の印象「本当にすごい俳優さん」

――無事クランクアップ、おつかれさまでした。

これで終わりと思うと少し寂しくなってしまいますね。清美はコミュニケーションをとるのが苦手だけど、自分なりに一生懸命気持ちを伝えようとする女の子。撮影を振り返ると、その“苦手だけど一生懸命”という微妙なさじ加減の演技に、最初は少し苦労したことを思い出します。

――思い出に残っている料理やエピソードはありますか?

どれも印象深いですが、あえてあげるとすれば、第4話の麻婆豆腐の回でしょうか。清美が同世代の人たちと食卓を囲み、友達の輪を広げていくという内容で、その頃から清美が人との距離感をつかめるようになってきたので、印象に残っています。また私自身が体験できなかったキャンパスライフの雰囲気も味わえて楽しかったですね。

――渡部篤郎さんや窪塚愛流さんの印象はいかがでしたか?

渡部さんにはたくさん助けていただいたし、本当にすごい俳優さんだなと改めて感じました。毎回いいボールを投げていただいて、私もいろいろなことを吸収できたかなと思っています。窪塚さんは以前にも共演させていただいたのですが、同世代の方が現場にいることで、気持ちが随分とラクになりました。彼のまっすぐなところが清正ともリンクしていて、自然とこちらも応援したくなりましたね。

――清美を演じられて、料理や食に対する考え方に変化は?

もともと料理が好きですし、誰かと一緒にご飯を食べるのも好きなんです。このドラマに対する感想などを皆さんから伺っていると、誰もが食に興味があるし、人生の一部といっても過言ではないんだなと感じました。食べるものによって、体調どころか気分も大きく変わりますよね。改めてご飯が、とても大切なんだなということに気付かされました。

――ドラマに登場した料理で、作ってみたいものはありますか?

第2話に登場したサバの味噌煮ですね。これまで作ったことがなかったのですが、とてもおいしかったので、ぜひ作ってみたいと思いました。あと、第9話のスパイシーお子様カレーも面白いなと思いました。スパイスがきいていて本格的な味なんですが、からさは抑えられているんです。これはぜひ作って家族に振る舞いたいと感じました

――最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

第1話から悩みながら、迷いながら前に進んできた清美ですが、最終回では立派に成長した姿を皆さんに見ていただけると思います。清美や周囲の人たちの想いが詰まった回で、感動する場面や前向きになれる場面もたくさんあります。もちろんハンバーグなどおいしい料理も登場するので、ぜひ楽しみにしていただきたいと思います。

■第11膳あらすじ

「和食おおそね」の採用試験で手にケガをし、試験を受けられなくなった清美(桜田ひより)。唯一の取り柄である料理もできなくなり、善次郎(渡部篤郎)にも顔向けができないと、「阿吽」にも顔を出さなくなる。失意の底にいる清美だが、今まで料理を通じてつながってきた周りの人たちが、優しく手を差し伸べてくれた……。

【編集部MEMO】
桜田ひよりが演じるのは、コミュニケーション能力ゼロ、ゆえに友達もできず空回りばかりしてしまう大学3年生・辺清美。一度食べた料理は食材はもちろん、「小さじ1杯」といった調味料の微細な配合まで完璧にわかる“絶対味覚”を持つ清美は、就職活動を前に「これまでの自分を変えたい!」と思い切って飛び込んだ定食屋「阿吽」でアルバイトをスタートさせる。“コミュ力ゼロ”のため接客はからきしだが、料理の腕はピカイチ。思いを込めた料理を通して、ちょっとワケありな客の心をほぐし、温めていく。渡部篤郎は「阿吽」の店主・中江善次郎役、窪塚愛流は善次郎の一人息子・中江清正役、工藤美桜は清美と同じ大学に通う医学生・鈴代桜役を演じている。