チップレットとシリコン・ブリッジの接続部にはマイクロ・ピラーと呼ばれる柱状金属のみが介在しているほか、チップレット集積体はブリッジと共にモールド樹脂封止されており、シリコン・ブリッジ側のモールドを貫通するトール・ピラーにより外部電極に接続する。この構造により、チップレット/ブリッジの最小限の接続構造によるチップ間接続密度や電気特性の向上、外部接続配線の高周波特性や放熱性能の改善が可能となる。また、ブリッジの配線の種類が選択可能であることや、集積規模拡大時の歩留まりの問題がなく、集積モジュールのサイズや製造単位を大型パネルなどへ拡大できるという利点があるという。

研究チームによると、今回の構造は、製造工程における(1)All Chip-lastプロセスによる高い接合精度と、製造工程中のダイ・シフト(モールド封止の際チップが動いてしまう現象)の抑制、(2)線膨張の整合した接合プロセスにより実現されたという。

  • PSBによるチップレット集積構造のコンセプト実証サンプルの画像

    (上)PSBによるチップレット集積構造のコンセプト実証サンプルの画像。(下) PSBモジュールの外部接続構造の模式図 (出所:東工大プレスリリースPDF)

このように、PSB構造はブリッジ接続によるチップレット集積に関してシンプルで合理的な構造を有しており、これにFan-Out機能を有する配線層を接続することで、理想的なチップレット集積パッケージや、大規模なチップレット集積システムを構成することが可能だという。

  • 大規模チップレット集積のイメージ

    大規模チップレット集積のイメージ (出所:東工大プレスリリースPDF)

なお、研究チームでは今後、これらの接続密度向上/集積規模拡大、高性能ブリッジ配線技術、グローバル配線集積技術の開発、信頼性確認、システム適用検証などを行う予定としているほか、10月1日にチップレット集積プラットフォーム・コンソーシアムを設立。コンソーシアムメンバーは東工大のほか、大阪大学(菅沼克昭 特任教授/大阪大名誉教授)、東北大学(福島誉史 准教授)を中心とし、参加企業として、アオイ電子、アピックヤマダ、アルバック、青梅エレクトロニクス、奥野製薬、住友電気、住友ベークライト、太陽インキ製造、トーヨーケム、フォームファクター、マクセル、リンテック、FICTほか3社、協賛企業としてディジタルメディアプロフェッショナル、トッパン・テクニカル・デザインセンター、NSCoreほか13社が参加予定(2022年9月時点)としており、製造技術/要素技術からアプリケーションに至るバリューチェーンでの研究開発とその産業化を目的とする組織としており、今回の研究に加え、三次元集積技術や光集積技術なども含め、チップレット集積技術全般を研究対象とするとしている。