メルク・アンド・カンパニー(MSD)は11月10日、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者向け経口抗ウイルス薬として開発が進められている「モルヌピラビル(MK-4482)」の供給に関して日本政府と合意したことを発表した。

同合意は、日本においてモルヌピラビルが薬事承認を得た後、国内の新型コロナウイルス感染症患者向けに提供することを目的に日本政府が同治療薬を確保するもの。調達数約160万治療コース分としており、これに対し約12億ドル(税込み)が支払われるという。

同治療薬は、第3相MOVe-OUT試験において、検査で新型コロナ感染が確認され、重症化のリスク因子を1つ以上有する、入院していない成人患者の治療薬として有効性と安全性の評価を実施。10月に中間解析結果として、重症化リスク因子を有する軽症から中等症の新型コロナに感染した入院していない成人患者の入院または死亡のリスクを低減する効果を確認したことが発表されている。 また、現在、MOVe-AHEAD試験において新型コロナ曝露後の発症予防効果の評価が進められている。

なお、すでにMOVe-OUT試験の良好な結果が得られることを想定し、同治療薬の製造を開始しているとのことで、2021年末までに1000万治療コース分を生産が見込まれているほか、2022年は少なくとも2000万コース分を生産できる見込みだとしている。

  • alt属性はこちら

    メルク(MSD)の新型コロナ向け飲み薬「モルヌピラビル」 (C)2009-2021 Merck Sharp & Dohme Corp., a subsidiary of Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. All rights reserved