半導体および装置市場調査会社である米VLSIresearchは、2020年の半導体製造装置メーカー売上高ランキングトップ15、ならびに2020年の半導体製造装置市場が前年比18.4%増の924億ドルに達したことを発表した。

5Gおよびデータセンターチップの需要が急増したことを受け、ロジック/ファウンドリ分野で目覚ましい設備投資が行われ、特に7nmおよび5nmプロセスが戦略的投資を推進したため、前年比18%増という力強い成長になったと同社では分析している。ちなみに、各社の売上高には装置のほか、その保守サービスの売上高も含んでいる。

トップは米Applied Materials(AMAT)が堅持した。過去に一度だけ202年2位のASMLにトップの座を奪われたが、それ以外は長年にわたってトップの座に君臨し続けている。しかし、今後、IntelがEUVを7nm CPUの製造で多用し、新たに建設するアリゾナ州の2つのファブにもEUV露光装置を導入することを宣言しており、1台200億円規模とされるEUV露光装置がTSMC、Samsung Electronics、SK Hynixに続き、Intelでも多数納入されるようになれば、売上高でASMLがAMATを抜き、トップに立つ可能性も出てくる。

また、2019年は僅差でLam Researchを交わして東京エレクトロン(TEL)が3位に入っていたが、2020年はLamが抜き返し、再び3位となり、変わってTELが4位となった。

この4社が年間売上高100億ドル(約1兆円)を超す4強であり、5位のKLAは4位TELの売り上げの半分以下、6位のアドバンテストになると5位KLAの半分以下の売り上げと、下位に行くほど、売上高の絶対額が大きく減少していく。ちなみに5位~10位までの順位は2019年から変化はない。

  • 半導体装置メーカーランキング

    半導体装置メーカーランキングトップ10の2019年と2020年の売上高比較と集計に用いられたユーロ・ドルおよび日本円・ドルの為替レート (出所:VLSIresearch)

13位には売上高を前年比116%増と大きく伸ばしたSEMES(Samsung Electronicsの子会社)が2019年のランク外から一気に入ってきた。このため、2019年に15位に入ったキヤノンが代わりにランク外となった。また、トップ15社中、ニコンとダイフクの2社のみ、売上高が前年比でマイナス成長となっている。

なお、トップ10のうち、日本企業(日本に本社を置く企業)はTEL、アドバンテスト、SCREEN、日立ハイテクの4社、トップ15社のうち日本企業は、この4社に加えてKokusai Electric、ニコン、ダイフクの7社がランクインしている。

  • 半導体装置メーカーランキング

    2020年の半導体装置メーカーランキングトップ15 (出所:VLSIresearch)