CMOSイメージセンサに代表されるオプトエレクトロニクス、センサ/アクチュエータ、ディスクリート半導体の総称であるO-S-D市場は、2019年に10年連続となるプラス成長を遂げ、過去最高値を更新する見込みであるほか、2021年まではさらに緩やかにだが成長が続くとの予測を半導体市場動向調査会社である米IC Insightsが発表した。

半導体市場で19%を占める非IC半導体

ただし、世界経済の減速や米中貿易戦争の影響により、システムメーカーは在庫を減らす傾向にあるため2019年のO-S-D市場は、前年比1%増の835億ドルにとどまる見込みで、2018年の同9%増、2017年の同11%増と比べるとなんとかプラス成長を達成した、という程度といえる。

これらO-S-D市場は2019年の半導体市場全体の約19%を占める規模で、6種類の製品カテゴリが過去最高値を更新する見通しだという。具体的には、CMOSイメージセンサが同19%増、レーザートランスミッタが同10%増、圧力センサが同7%増、パワートランジスタ同4%増、光センサが同3%増、加速度センサ/ジャイロスコープが同2%増となっている。さらには、センサ全体も同3%増の見込みであり、このうちMEMS技術を用いて製造されたセンサおよびアクチュエータは同2%増の見込みで、いずれも、史上最高額を更新する見通しだという。

  • O-S-D

    2019年におけるO-S-D市場の製品カテゴリ別成長率 (出所:IC Insights)

新技術への対応により今後も市場は緩やかに成長

また、オプトエレクトロニクス市場全体もCMOSイメージセンサとレーザートランスミッタの成長により、同3%増の415億ドルとなる見込みで、こちらも過去最高となる見通し。センサ/アクチュエータも同1%増の149億ドルで、こちらも過去最高を更新する見通しだという。センサ/アクチュエータ市場についてIC Insightsでは、価格下落が進み、出荷数量が伸びれば、さらなる成長も期待できるともしている。

一方のディスクリート市場はコモディティ製品で構成されていることもあり、同1%減の271億ドルになるとの予測。パワートランジスタは、同セグメントで唯一のプラス成長となる製品カテゴリとなるとしている。

なおIC Insightsでは、2020年、2021年ともに、O-S-D市場のすべてのセグメントが成長率の度合いは異なるものの、プラス成長となると見ている。これは、世界経済の改善に加え、顔認証、3Dイメージング、マシンビジョンなどの次世代システムへの活用や、自動制御、組み込みAI、5G、自動運転、ハイブリッド自動車/電気自動車などでの需要の増加などが期待できるためであるとしている。