メカトラックスは、名刺サイズのシングルボードコンピュータ「ラズベリーパイ(Raspberry Pi)」用の高精度A/D(Analog-to-Digital)変換モジュール「ADPi Pro(エーディーパイ プロ)」のサンプル販売(数量限定)を開始した。サンプル価格は2万4,800円(税別)。

ADPi Pro 本体

ラズベリーパイでは、ピンヘッダ経由でのデジタル信号(I2C、シリアル等)の入力は可能だが、さまざまななセンサー出力で用いられているアナログ信号はそのまま入力できないという課題があった。今回、サンプル販売される「ADPi Pro」は、こうした課題を解決するために、アナログ信号をラズベリーパイで処理する為のデジタル信号に変換する、「ラズベリーパイ」専用に開発された高精度A/D変換モジュール。

製品の中核となるA/Dコンバータには、24bit分解能のAnalog Devices AD7794を採用、高精度計測アプリケーション向けのアナログ・フロントエンドの搭載により微小な振幅信号を直接入力できる。

また、製品個別の校正データ(キャリブレーションデータ)をEEPROMに格納して出荷することにより、ユーザー自身での随時確認ならびに自身での校正に活用できるという。

ラズベリーパイにスタックした状態

さらに、ハードウェアに不案内なソフトウェア技術者でも容易に扱えるように、専用のソフトウェア環境(カスタムKernel)も同時に提供される。Linux Kernelで採用されているiioサブシステムを利用することで、OS(Raspbian)との親和性が高く、ユーザーはハードウエア部分を意識することなくシステム開発が行えるという。

このほか、消費電力が大きいセンサーに対し、OS側から電源のON/OFFが可能な外部出力端子を搭載し、測定時だけセンサーをONしその他の時間帯はOFFにして消費電力を削減することや、同機能を活用して測定前のセンサーのプレヒート等も可能となっている。

ラズベリーパイ、 ADPi Pro、 3GPiをスタックした状態

また、同社のラズベリーパイ周辺機器「3GPi(ラズベリーパイ用3G通信モジュール)」、 「slee-Pi(同電源管理・死活監視モジュール)」、「PiConsole I/F(ラズパイIoTスタータキットanyPi向け汎用コンソール I/Fモジュール)」との併用にも対応するということだ。

なお、今回のサンプル販売は 数量限定となっており、購入者には製品仕様や使用感等ユーザーアンケートの協力を呼びかけている。これらをふまえた正式販売は6月上旬に予定されている。購入希望者は、同社Webサイトの問合せフォームから連絡する(amazonや同社通販サイトからの販売は行われない)。