水族館『横浜・八景島シーパラダイス』は、「深海生物」に特化した新展示エリア「未知なる海底谷 深海リウム」を7月25日からオープンした。「東京海底谷」を中心に「ミツクリザメ」をはじめとした深海域の生物40種250点を展示する。

「未知なる海底谷 深海リウム」では深海域の生物40種250点を展示

希少深海生物の宝庫「東京海底谷」

「アクアミュージアム」に新設される同展示エリアでは、既存の深海生物の展示を一新。東京海底谷(とうきょうかいていこく)と呼ばれる東京湾内の水深500メートル以深に存在する海峡に生息する深海生物を中心に展示し、未知なる世界を演出している。

展示のほか、海の映像館「アクアシアター」ではオリジナル・アドベンチャー・ショートムービー「THE深海 ~発見!驚異の深海生物~」を上映。半球型ドームスクリーンに映される720インチのデジタルハイビジョン映像と立体音響で、迫力満点の深海の世界を楽しむことができる。「アクアシアター」は水族館入館料とは別に500円が必要となっている。

希少なミツクリザメも

同水族館では2009年から深海ザメ「ミツクリザメ」の飼育展示挑戦と生態研究を実施している。「ミツクリザメ」は世界でも希少な種類のサメだが、東京湾や相模湾深海で捕獲されることがある。その「ミツクリザメ」をふくめ、深海と深海生物の魅力が存分に紹介されている。

東京海底谷

東京海底谷は荒川や多摩川などの河川から運ばれる豊富な栄養分が流れ込む海域だ。そのため世界でも珍しい豊かな生物相を生み出し、多くの珍しい深海生物を見ることができる。

海底に潜む掃除屋「オオグソクムシ」

主な展示生物は、ヤマトトックリウミグモ、ヒゲウミシダ、ボウズウ二、コツノキンセンモドキ、コツノガニ、サガミモガニ、テヅルモヅル、アズマハナダイ、ベニテグリなど。生物の死骸を餌にするオオグソクムシやヌタウナギ、スソウミヘビなどの「海底に潜む掃除屋」も展示されている。

神秘的なヒトデの仲間

神秘的なかたちをした生き物も多く生息する深海。テヅルモヅルは植物のようにも見えるが、ヒトデに近く、うねうねと体を動かしながらゆっくりと移動することが特徴。

小型甲殻類「イガグリガニ」

水深500メートルに生息する「イガグリガニ」や「コツノガニ」など様々な小型甲殻類も展示。

深海の美しい魚「シキシマハナダイ」

深海魚「マトウダイ」

相模湾を代表する巨大深海生物「タカアシガニ」

大陸棚から急に1,000メートル以上の深海へと落ち込む地形が特徴の相模湾。同水族館に馴染みの深い相模湾に生息する深海生物も紹介されている。

ダイオウグソクムシ(左)、オウムガイ(右)

「世界の深海生物たち」として、世界最大のダンゴムシと言われるダイオウグソクムシ、生きる化石とも称されるオウムガイなど、世界各地の個性あふれる深海生物も展示している。