米Appleは8日(日本時間9日未明)、米サンフランシスコで開発者向けカンファレンス「WWDC15」の基調講演を行った。過去最長クラスの約2時間30分にわたり、次期iOSやwatchOSの紹介に加え、長年噂に上がっていた定額音楽サービスも発表されるなど、盛りだくさんの内容となった。

Macは新OSで最大10倍の高速化

まずはOS Xについて。次期OS Xの名前を「El Capitan(エル・キャピタン)」に決定した。ちなみにポリタンクの愛称で親しまれたPowerMac G3のケースのコードネームが「El Capitan」、中の基盤が「Yosemite」だった。コードネームがかぶるのは比較的珍しい

エル・キャピタンはヨセミテ国立公園内にある、世界一の花崗岩の一枚岩。ロッククライミングの名所でもある

El CapitanではSafariやメールの機能改善、検索機能「Spotlight」で自然な言葉による検索が使えるようになったことに加え、フルスクリーン表示時にほかのアプリのウィンドウを差し込むスプリットスクリーンといった新機能を追加。さらにiOS 8で追加された3D CG向けAPI「Metal」をOS Xにも採用することで、アプリや処理によっては最大で10倍もの高速化が望めるとした。

ワイド化し、高解像度化が進むMacのディスプレイを有効活用する意味でもスプリットスクリーンは便利だろう

WWDCキーノートではお馴染みとなったEpic GamesがMetal APIのデモに。完全にMetalで書かれた新作「FORTNITE」での処理速度を披露した

OS X 10.11 El Capitanの開発者向けリリースは本日9日から、一般ユーザー向けのパブリックベータは7月に、そして製品版は今秋に無料で公開される。対応機種は発表されていないが、おそらくYosemiteと同じく、OS X 10.8「Mountain Lion」が動作するMacなら動作すると思われる。