アドビ システムズは、同社のクラウドサービス「Adobe Creative Cloud」のアップデートとなどの新発表を行う「Create Now 2014 スペシャルイベント」を開催した。今年はAdobe Creative Cloudのデスクトップアプリが14種バージョンアップしたほか、同社が初めて手がけたペンツール「Adobe Ink」と電子定規「Adobe Slide」の国内初お披露目、最新のモバイルアプリやサービスが発表されるなどニュースがめじろ押しとなった。

ここではPhotoshop CCやデザインツールWeb/映像ツールに引き続き、フォトグ ラファー向けの提案とモバイルアプリ関連の情報をお届けする。

フォトグラファーのためのワークフロー提案

Adobe Photoshop Lightroom 5

「Adobe Photoshop Lightroom 5」は写真の管理や整理・検索、RAW画像の現像や共有などが行えるツールだ。デモンストレーションを担当した同社の栃谷宗央氏は、写真を最もよく扱うフォトグラファー向けに、「ワークフローの効率化が図れるPhotoshopとの併用」を提言。ライブラリモジュールに保存された大量の写真を選択して1クリックでフォルダ管理することができ、配置変更なども自在な「コレクション」機能を活用すると便利だとそのメリットを語った。

また、連携機能の強化により、Lightroom内でPhotoshopを立ち上げることも可能に。画角変更などの高度な編集・合成はPhotoshopで行うなど、使い分けするとよりよいのだそうだ。「遠近法」のデモでは、歪んだ建物の写真に施したパース修正やワープボタンでの画角変更の様子や、その処理結果がLightroomにも反映されている様子が確認できた。

・LightroomとLightroom Mobile、Webサービス版の同期

iPadアプリ「Lightroom Mobile」は、デスクトップのLightroomで作業中の素材を同期・閲覧できるモバイルアプリだ。すでにおなじみの写真選択やフラグ付記に加え、今回ユーザーより要望の多かった「レーティング」機能が追加されている。そのほか、今回の発表にてiPhone版「Lightroom Mobile」が新たに発表され、iPadとiPhone間でも同期が可能になった。iPhoneのカメラで撮影した素材はトリミングや色調、サイズ調整の結果はもちろん、ビフォーアフター機能も利用できる。上記にはデスクトップ版と同じエンジンを有し、モバイル版でもプロレベルの編集ができる点もポイントだ。

iPhone版「Lightroom Mobile」

さらに、クラウドを介したWebサービス版も登場。Adobe IDがあればデスクトップ版とWeb版の作業を同期できるため、デスクトップ版ツール、iPadとiPhone、そしてWebブラウザと4つのデバイスによるシームレスな制作が可能になった。さらにFacebookやTwitterなどのソーシャルサービスにも共有でき、ポートフォリオ公開やレスポンスを受けることも簡単だ。これらのフォトグラファー用ソリューションをセットで提供する「フォトグラフィプラン」は、月額980円で利用可能ということだ。