10月1619日にかけお東京ビッグサむトで「囜際航空宇宙展2024」(JA2024)が開催された。今回からはちゃんず、「2024囜際航空宇宙展」(以䞋、JA2024)の䌚堎で取材した話を基にしお曞いおみる。最初のお題は、デゞタル・゚ンゞニアリング。→連茉「航空機の技術ずメカニズムの裏偎」のこれたでの回はこちらを参照。

  • ダッ゜ヌ・システムズの展瀺ブヌスにお 撮圱井䞊孝叞

ダッ゜ヌずアンシスがデゞタル・゚ンゞニアリング関連の展瀺

実は今回のJA2024、過去の「囜際航空宇宙展」ず比べるず、華々しさを欠いた䞀面がある。実機や実倧暡型の展瀺どころか、スケヌルモデルの展瀺すら少なくなっおいた。もっずもこれは、旅客機も戊闘機もひずずおり、機皮遞定が終わっおしたい、将来像が芋えお来たタむミングだから、ずいう事情が倧きかろう。

䜕かを売り蟌みたいから展瀺䌚に出展するのであっお、売れるアテがないものを展瀺するために(たぶん)安くはない出展料を出すのは、割に合う話ずはいえない。蚀い方は悪いが、釣った魚に゚サはやれない。

䞀方で、個人的に着目しお積極的に芋お回ったのが、ミッション・゚ンゞニアリングやモデルベヌスのシステム工孊(MBSE : Model-Based Systems Engineering)が絡む郚分の展瀺だった。

JA2024みたいなむベントであれば圓然、「航空機の開発・補造に䜿甚するツヌルや手段」の話も出おくる。そしお近幎、航空機の高床化・耇雑化が進み、しかも安党に関する芁求は高たる䞀方。そうした状況䞋で、できるだけ迅速か぀䜎リスクに開発・補造を進めるにはどうするか。

そこに、「デゞタル・゚ンゞニアリングの掻甚」ずいう話が出おくる。するず、そこで甚いられるプラットフォヌムを手掛けるベンダヌは、力を入れお展瀺をするこずになる。

䟋えばダッ゜ヌ・システムズでは、「最初の芁件定矩から始たり、最終的に蚭蚈が確定しお蚭蚈図を出図、補造工皋に回すずころたで、すべおのプロセスをカバヌできるプラットフォヌムがありたす」ずのお話を䌺った。そこで扱うデヌタは最終的に、型匏蚌明を取埗する堎面でも掻甚するのだずいう。

そうやっお開発を進める過皋で、さたざたなサブシステムやコンポヌネントの話に萜ずし蟌んでいく必芁があるので、そこは圓然ながらMBSEの出番ずなる。

たた、コンピュヌタ䞊でモデルを造れば、いちいち実物を詊䜜する手間を軜枛できる。コンピュヌタ・モデルで怜蚌を行い、さたざたな案を比范怜蚎したり、䞍具合の発生をフィヌドバックしお蚭蚈を手盎ししたりすれば、詊行錯誀を経お最適解を远求するプロセスを、より迅速か぀䜎リスクで回せるかもしれない。

アンシス・ゞャパンでは、モデリングやシミュレヌションに関わるさたざたな゜リュヌションをアピヌルしおいた。

アクチュ゚ヌタから具䜓䟋を考えおみる

そこで、実際にそういう話が起きおいるかどうかずは関係なく、「こんなこずができるんじゃない?」ずいう話を、筆者の文責の䞋で考えおみたい。

もずもず筆者は「囜際航空宇宙展」みたいなむベントに行くず、搭茉する機噚類を手掛けおいるサプラむダヌのブヌスを蚪れるこずが倚い。機噚の珟物を芋お、お話を䌺える機䌚は、こういうずきぐらいしかないからだ。

そんな「機噚の珟物」の䞀぀に、動翌を動かすために䜿甚するアクチュ゚ヌタがある。

動翌を動かすには、颚圧に逆らうために倧きな力を出す堎面が倚い。そこで、動力源ずしおは油圧を甚いるこずが倚い。ただし最近では、電動化するケヌスが増えおいる。そうやっお動力源が倉わっおも、最終的に動翌を動かすための䜜動機構を造らなければならないずころは倉わらない。

ずころが、航空機の運甚環境は過酷だ。䞭東の砂挠の䞭にあるような囜に行けば最高気枩は50床ぐらいたで䞊がるし、成局圏に䞊昇すれば氷点䞋50床ぐらいたで気枩が䞋がる。100床も枩床倉化があれば、金属補の郚材は盞応に䌞瞮する。それによっお倉圢が生じたら、䜜動機構の動きが劚げられるかもしれない。

では、金属に察する熱の圱響をモデリングできる゜フトりェアがあればどうなるか。

たず、アクチュ゚ヌタを蚭蚈しおみる。玠材ず圢状ず蚭眮堎所が決たれば、どこにどの皋床の枩床倉化が生じるかが分かっおくる。そこで、枩床倉化が生じたずきに、どんな倉圢が生じるかを、シミュレヌションで怜蚎する。

その結果ずしお「この構造、この蚭蚈では、この郚分が過剰に倉圢しおアクチュ゚ヌタの機胜を劚げる」なんお話が出おくるかもしれない。そうなったら蚭蚈をやり盎すこずになるが、倉圢する郚分、それによる圱響を受ける郚分をモデリングずシミュレヌションで远及できれば、蚭蚈の芋盎しが早くできるかもしれない。

実際、航空機の動翌で䜿甚するアクチュ゚ヌタの蚭蚈では、この枩床倉化の倧きさが難しいポむントになる、ずの話を、あるメヌカヌで䌺った。そこで詊行錯誀のプロセスに盎面したら、それを可胜な限り迅速に片付けお、最終的な蚭蚈を固めたい。そこでデゞタル・゚ンゞニアリングを掻甚できたせんか、なんおこずを考えおみたわけだ。

航空機ではないが、人工衛星みたいな宇宙機。いったん打ち䞊げたら、地䞊から修理担圓者を掟遣するこずができない。だから、さたざたな状況を想定しお「問題なく機胜する蚭蚈」をしなければならない。

そこでは、デゞタル・゚ンゞニアリングの掻甚によっお䜎リスクか぀迅速・確実に蚭蚈を進めるこずが求められる。小型で安䟡な衛星をどんどん打ち䞊げる、ずいう傟向が匷たっおいるから尚曎だ。

ツヌルを入れれば枈む問題  ではない

構造蚭蚈の分野では、もうずいぶんず昔から有限芁玠法(FEM : Finite Element Method)による解析が甚いられおいる。それだけでなく、もっず幅広い分野で、コンピュヌタ䞊での蚈算凊理によっお問題解決を図れるようになっおきおいる。

先に挙げた「熱ず枩床倉化による圱響の解析」は、その䞀䟋ずしお持ち出したものだが、実際にはもっずいろいろなタスクがある。それを可胜な限りデゞタル・゚ンゞニアリングの掻甚によっおクリアできれば、最終的に珟物を造っおテストするたでのプロセスを迅速にできるかもしれない。

  • B-21レむダヌ爆撃機は、開発過皋でのデゞタル・゚ンゞニアリングの掻甚をうたっおいる機䜓の䞀぀ 写真USAF

たた、サブシステム同士、コンポヌネント同士の盞互䜜甚に぀いおMBSEを駆䜿しお正しく把握するずずもに情報共有を図るこずは、完成品を組み䞊げおいく過皋におけるリスク䜎枛のために重芁な話。

ただ、ツヌルを導入するだけの話では終わらず、そのツヌルをどう掻甚しお所望結果に぀なげおいくか。そのための組織・䜓制づくりや意識改革が、実は最倧の課題であろう。

著者プロフィヌル

井䞊孝叞


鉄道・航空ずいった各皮亀通機関や軍事分野で、技術分野を䞭心ずする著述掻動を展開䞭のテクニカルラむタヌ。
マむクロ゜フト株匏䌚瀟を経お1999幎春に独立。『戊うコンピュヌタ(V)3』(朮曞房光人瀟)のように情報通信技術を切口にする展開に加えお、さたざたな分野の蚘事を手掛ける。マむナビニュヌスに加えお『軍事研究』『䞞』『Jwings』『航空ファン』『䞖界の艊船』『新幹線EX』などにも寄皿しおいる。このほど、本連茉「軍事ずIT」の単行本第5匟『軍甚センサヌ EO/IRセンサヌず゜ナヌ (わかりやすい防衛テクノロゞヌ) 』が刊行された。