グラフやSmartArtを作成したときに、「もっと違う色合いで表現したい」と感じることもあるだろう。このような場合に活用できるのが「配色」と呼ばれる機能だ。文書全体の色合いを変化させたり、自分の好きな色だけを集めた色パレットを作成したり、といった場面でこの機能を活用できる。今回は、配色の基本と利用方法について解説しよう。
配色の変更
以下の図は、Wordでグラフを作成した例だ。多少のカスタマイズを施してあるが、グラフの色については初期設定のまま何も変更していない。この図を見ると分かるように、グラフの各系列の色は「濃い青緑、オレンジ、濃い緑、……」で塗りつぶされるように初期設定されている。
とはいえ、これらの色を別の色に置き換えたいと思うケースもあるだろう。このような場合に活用できるのが「配色」だ。具体的には、「デザイン」タブにある「配色」をクリックし、一覧から好きな色の組み合わせを選択すればよい。
たとえば、配色に「Office 2013 - 2022」を選択すると、グラフの色が以下の図のように置き換えられる。以前からWordを利用していた方にとっては「馴染みのある、懐かしい色合い」と感じられるだろう。これらの色は、一昔前のWordでデフォルトになっていた配色となる。
もちろん、他の配色を選択しても構わない。以下の図は、配色に「緑」を選択した例だ。グラフの色が緑系統の色に置き換えられていることを確認できるだろう。そのほか、見出しの文字色も緑に置き換えられている。その一方で、本文内にある「渋谷店は2023年以降の増加が顕著」の文字色は赤のまま変更されていない。
参考までに、SmartArtの色についても触れておこう。以下の図は、「色の変更」コマンドで「カラフル -全アクセント」を指定したSmartArtの例だ。配色は、初期値である「Office」のまま変更していない。
この文書の配色を「デザート」に変更すると、SmartArtの色が以下の図のように置き換えられる。
このように「配色」は、文字、グラフ、図形、SmartArtなど、文書内のあらゆるパーツの色を置き換える機能となる。ただし、自動的に色が「置き換えられる箇所」と「置き換えられない箇所」が存在することに注意しなければならない。この仕組みを理解するには、「配色」と「色パレット」の関係について学んでおく必要がある。
配色と色パレットの関係
それでは「配色」と「色パレット」の関係について解説していこう。以下の図は、初期設定(配色:Office)における「色パレット」と「グラフの色」を示した例だ。グラフの色は、色パレットの左から5〜10番目と同じ色で着色されている。今回の例の場合、グラフには3つの系列があるので、左から5番目(濃い青緑)、6番目(オレンジ)、7番目(濃い緑)の色でグラフが描画されている。
もちろん、系列が4つ以上になる場合もあるだろう。この場合は、8番目(水色)や9番目(紫)の色で各系列が塗りつぶされていくことになる。
続いて、この文書の配色を「緑」に変更した例を紹介していこう。「色パレット」を見ると、5番目以降の色が「緑系統の色」に変更されていることを確認できる。それに合わせて、グラフの色も「緑系統の色」に置き換えられている。
このように、グラフの色は「色パレットの左から5番目以降の色」で描画されるように初期設定されている。ちなみに、色パレットの左から1〜4番目は「テキスト」や「背景」に適用される色となる。それぞれ濃色/淡色の2種類があるため、計4種類の色が用意されている。
つまり、「配色を変更すること」は「色パレットを変更すること」と同義になる。そして、色パレットの変更に応じて、それに対応する箇所の色が置き換えられる、という仕組みになる。なお、「配色の変更」により置き換えられる色は、色パレット内で「テーマの色」として表示されている色になる(以下の図を参照)。
一方、色パレットの中には「配色の変更」の影響を受けない色もある。それは「標準の色」と「その他の色」だ。これらの色を指定した文字、図形などは、「配色」を変更しても元の状態のまま色は変わらない。冒頭で紹介した「渋谷店は2023年以降の増加が顕著」の文字色が赤のまま変更されないのは、文字色を「標準の色」で指定していたためだ。
このように「配色」は、色パレット内にある「テーマの色」を変更することにより、文書の色を置き換える機能となる。それ以外の色は「配色」の影響を受けない。このことを把握しておくと、自動的に色が「置き換えられる箇所」と「置き換えられない箇所」の違いを理解できるようになるだろう。
配色を考えるときに役立つサイト
続いては、オリジナルの配色を利用する方法を解説していこう。あらかじめ用意されている配色の中に「自分の好きな配色」が見つからなかった場合は、自分で配色を作成することも可能である。
ただし、バランスのとれた配色を考えるのは意外と難しく、色の組み合わせに悩んでしまうかもしれない。このような場合に活用できるのが、配色を提案してくれるWebサイトだ。
たとえば、「COOLORS」というWebサイトを開いて「Start the Generator」ボタンをクリックすると、見た目にバランスのよい配色を自動生成することができる。もしも自動生成された配色が気に入らなかった場合は「スペース」キーを押せばよい。すると、別の新しい配色を次々と自動生成してくれる。そのほか、「+」をクリックして色数を増やす、などの便利な機能が数多く用意されている。
一覧から好きな配色を探したい場合は、「SCHEMECOLOR」というWebサイトが活用できる。「Pastel」や「Wedding」などのテーマで配色を絞り込んだり、キーワードで配色を検索したりする機能も備えられている。
そのはか、「配色」や「color palette」などのキーワードでWeb検索すると、似たような機能を備えたWebサイトをいくつも見つけることができる。センスに自信がない方は、こういったサイトを参考に配色を考えていくとよいだろう。
好きな配色を見つけられたら、各色に表示されているHEX値(RGBの濃度を6桁の16進数で示した数値)を選択し、「Ctrl」+「C」キーでコピーする。Webサイトによっては、HEX値をコピーするためのアイコンが用意されている場合もある。
続いて、Wordに戻り、「塗りつぶし」コマンドなどで色を指定する。HEX値で色を指定するときは、「塗りつぶしの色」や「その他の色」といった項目を選択すればよい。
「色の設定」ダイアログが表示されるので、「ユーザー設定」タブを選択し、先ほどコピーしたHEX値を「Hex」の項目に「Ctrl」+「V」キーで貼り付ける。その後、「赤(R)」などの別のテキストボックスをクリックすると、色指定が反映される。あとは「OK」ボタンをクリックするだけ。
同様の手順で各色を指定していくと、グラフやSmartArtなどを自分の好きな配色にカスタマイズできる。なお、自分で指定した色は「最近使用した色」として色パレットに追加されるため、2回目以降はHEX値を入力しなくても同じ色を手軽に指定できるようになる。
ただし、「最近使用した色」はWordを終了させると消去されてしまうことに注意しなければならない。同じ配色をいつでも利用できるようにするには、「新しい配色」として登録しておく必要がある。続いては、オリジナルの配色を登録する方法を紹介していこう。
オリジナル配色の作成
各自の好きな色の組み合わせを「オリジナルの配色」として登録するときは、「デザイン」タブを選択し、「配色」→「色のカスタマイズ」を選択すればよい。
すると以下の図のようなダイアログが表示され、「色パレットに表示される10色」と「ハイパーリンク用の2色」を自由に指定できるようになる。それぞれの色を指定するときは、色見本をクリックして「その他の色」を選択すればよい。
「色の変更」ダイアログが表示されるので、各自の好きな色を指定していく。Webサイトで紹介されていた配色を利用するときは、先ほど示した手順でHEX値をコピー&ペーストして「OK」ボタンをクリックすればよい。
同様の手順で各色を指定していく。一般的には、「アクセント1」〜「アクセント6」の色を指定しておけばよいだろう。それ以外のテキスト/背景やハイパーリンクの色は必要に応じて指定すればよい。色指定が済んだら、この配色に適当な「名前」を付けて「保存」ボタンをクリックする。
以上で、オリジナルの配色の作成は完了。以降は、「配色」コマンドから「ユーザー定義の配色」を選択するだけで、自分好みの配色を利用できるようになる。
なお、登録した配色は「Microsoft Office共通の設定」として保存されるため、他のWord文書でも利用できる。もっと言えば、ExcelやPowerPointでも利用できる配色となる。もちろん、登録した配色を編集したり、削除したりすることも可能だ。この場合は、自分で登録した配色名を右クリックして「編集」や「削除」を選択すればよい。
このように、Wordの配色は自由にカスタマイズすることが可能となっている。あらかじめ用意されている配色だけでなく、自分好みの配色(または各企業のブランドカラーなど)を利用したい方は、この機会に配色を登録しておくと、より便利にWord(Microsoft Office)を活用できるようになるだろう。





















