三菱電機の米国子会社・三菱電機パワープロダクツが、米国の次世代AIデータセンター向けに、NVIDIA製ラックスケールAIスーパーコンピューター「Vera Rubin NVL72」と次世代GPUに対応したリファレンスデザインを公開。電力系統からチップへの電源供給・冷却までを最適化し、AI需要拡大に対応していく。
三菱電機パワープロダクツが公開した「Chip-to-Grid DSX リファレンスデザイン」は、次世代AIデータセンター建屋の内部だけでなく、GPUなどのチップに電力を届けるところから、送配電・受電・蓄電・冷却までを一体で最適化したもの。
AIデータセンターの設計やシミュレーション、運用を統合・効率化するためのプラットフォームおよびフレームワークとして、このリファレンスデザインに基づくソリューションをデータセンター事業者に提供していく構想だという。将来見込まれる、ギガワット(GW)級データセンターに対応する拡張性も備える。
具体的には、データセンター敷地内に発電設備「オンサイト発電システム」と「蓄電システム」(BESS:Battery Energy Storage System)を構築し、平常時は電力会社の系統へ接続し商用系統の依存度を抑えながら運用。系統事故が万一発生した場合にはマイクログリッドとして自立運転に切り替え、データセンターの電力確保と安定運用に寄与するという。
データセンター建屋内においては、電源システムとして415/480VACに加え、800VDC配電にも対応。冷却システムについては、高密度なAI負荷にも適用可能なデュアルループ冷却方式(チップを直接冷却する直接液体冷却と、それ以外を冷却する空気冷却からなる冷却アーキテクチャ)を組み合わせることで、電力効率を最大化する。
背景にあるのが、生成AIやエージェントAI、フィジカルAIといったAIの活用範囲の拡大と、それに伴う急速なデータセンターの設置拡大の動きだ。今や重要な社会インフラの一部となっているデータセンターには、電力効率の高さだけでなく信頼性や拡張性が求められており、データセンター事業者はAI需要の拡大に対応した電力確保や熱管理、安定運用に大きな課題を抱えているという。
三菱電機では重点施策として、データセンターの電力最適運用化を支援するソリューション事業を掲げている。今回の新たなリファレンスデザインを活用して、データセンターが抱える課題の解決に取り組み、高付加価値のソリューションを多様なデータセンター関連システムのひとつとして提供することで、世界市場における事業拡大を図るとしている。
