この半導体ニュースのまとめ

・太陽HDが12インチウェハ上でCD700nmの3層RDL形成に成功
・デュアルダマシン向け感光性絶縁材料「FPIMシリーズ」を活用
・電気特性とCMP適合性を確認し、将来はCD500nm以下を目指す

太陽ホールディングス(太陽HD)は9月10日、次世代半導体パッケージング向けの微細ピッチRDL用ネガ型i線感光性絶縁材料「FPIMシリーズ」を用い、12インチウェハ上で配線パターンの最小加工寸法(線幅や線間隔)を示す値であるCD(Critical Dimension)が700nmの3層RDL(再配線層)形成に成功したことを発表した。

ベルギーの半導体研究機関imecとの共同研究による成果で、フィンランドのヘルシンキで開催された半導体・電子機器の実装技術と周辺材料に関する国際学会「The 11th IEEE Electronics System-Integration Technology Conference(IEEE ESTC 2026)」において、共著論文として発表された。

配線とビアの双方でCD700nmを達成

今回の研究では、FPIMシリーズを用いて12インチウェハ上に3層のRDL構造を形成し、その解像性や電気特性を評価した。

その結果、配線とビアの双方で目標としていたCD700nmを達成。CD700nmで形成した第1メタル層において、リーク電流と抵抗の評価で良好な結果を得たという。

また、FPIMシリーズが高い解像性と電気特性を備えることに加え、ウェハ表面を化学的・機械的に平坦化するCMPプロセスに適用可能な品質を持つことも確認したとする。

  • 評価用サンプルの構造

    評価用サンプルの構造 (出所:太陽ホールディングス)

同社は今回の成果について、将来のサブミクロン級RDL設計ルールを見据えた、先端パッケージング向けインターコネクト技術の重要な進展と位置付けている。

微細化に向けデュアルダマシンプロセスを採用

RDLは、半導体チップ表面の電極位置や間隔を変換し、チップとパッケージ基板などを電気的に接続する再配線層である。

AI半導体やチップレットでは、多数の信号を短い距離で接続する必要があり、RDLの微細化や多層化が求められている。配線密度を高めることで、半導体パッケージ内におけるデータ転送性能や実装密度の向上につながる。

現在のRDL形成では、ウェハ全面に薄いシード層を形成した後、電解めっきで配線パターンを形成するセミアディティブプロセス(SAP)が主に用いられている。

これに対しデュアルダマシンプロセスは、絶縁膜に配線用の溝とビアを形成し、スパッタやCVD、電解めっきなどで金属を埋め込んだ後、余分な金属をCMPで除去する手法で、配線とビアを微細かつ多層に形成しやすいことから、imecは配線間隔1.6μm以下のRDL形成では同プロセスが必要になると提唱している。

FPIMシリーズは、このデュアルダマシンプロセスに向けて開発された感光性絶縁材料で、i線露光によって絶縁膜に微細な配線溝やビアを形成し、その内部を金属で埋め込むための構造を作ることを可能とした。

2022年からimecと共同研究

太陽ホールディングスとimecは、2022年10月にデュアルダマシンプロセス向け微細ピッチRDL用ネガ型感光性絶縁材料の共同研究を開始。2024年11月からはimecへ駐在員を派遣するなど、より円滑な半導体材料の研究開発の推進を目指した取り組んできた。

すでに先行研究として、2025年11月にはFPIMシリーズを用いた12インチウェハ上での3層RDL形成において、配線間隔CD1.6μm、ビアCD2μmを達成したことを発表していた。今回の研究は、その延長線上にあるもので、配線とビアをCD700nmまで微細化したことで、RDLの設計ルールをサブミクロン領域へ広げる可能性を示したものとなる。

ウェハ上の配線間隔でCD500nm以下のRDL形成を目指す

なお太陽ホールディングスは今後、12インチウェハ上でCD500nm以下のRDL形成を目指すとしている。また、電気特性や長期信頼性の検証も継続して進めていくことで、AI半導体のさらなる高性能化ニーズに対応していく構えである。

すでに同シリーズは、2025年より研究開発用途向けに少量サンプルの出荷が開始されており、今後、imecとの共同研究を通じて解像性、電気特性、CMP適合性、長期信頼性などを高めていき、次世代半導体パッケージング向け材料としての実用化を進めていくとしている。

  • FPIMシリーズの製品イメージ

    FPIMシリーズの製品イメージ (出所:太陽ホールディングス)