JALグループは、航空機の外装を洗うための協働型ロボットを成田空港に導入すると8月28日に発表。必要な操作訓練を行い、2026年内に本格的に運用開始する予定だ。国内エアラインでは国内初の試みとしている。

  • JALグループが成田空港に新たに導入する、Aerowash製「AW3」。航空機の外装を洗うための協働型ロボットだ

    JALグループが成田空港に新たに導入する、Aerowash製「AW3」。航空機の外装を洗うための協働型ロボットだ

JALが今回、空港DX推進の一環として導入を決めたのは、スウェーデン・Aerowash製のリモコン式機体洗浄ロボット「AW3」。対象機種の主翼など洗浄したい箇所をプログラム指定することで、機体表面までロボットアームが自動で近づき、作業員による微調整も行える協働タイプで、作業精度と省力化を両立させられるとしている。

  • AW3の稼働イメージ

    AW3の稼働イメージ

航空機の機体外部の洗浄作業は、性能維持や美観向上のためには欠かせないが、これまでは夜間帯に専門スタッフが長い柄の付いたモップや専用洗剤を用いて手作業で行っており、負担の大きい業務だという。JALでは約30年前にも、有線リモコン式機体洗浄機を使った効率化を試みたが、当時は技術的制限などによって継続運用に至らなかったとのこと。

  • これまでの機体洗浄の様子

    これまでの機体洗浄の様子

今回導入するロボットは最新の制御技術を盛り込み、人間と協働する作業支援機として進化させたもので、JALでは「約30年ぶりの再挑戦となる取り組み」としている。成田空港での運用を皮切りに、今後は国内の他の空港にも導入を検討し、機体洗浄作業の労働環境改善と品質向上を図る考えだ。

今回導入する、リモコン式機体洗浄ロボットの主な特長は以下の通り。

  1. 先進のプログラム制御と高度な協働(アシスト)機能
  2. 現場DXによるウェルビーイング(働き方改革)の推進
  3. サステナビリティ(環境対策)への寄与

1. 先進のプログラム制御と高度な協働(アシスト)機能

AW3は、アームの洗浄箇所への自動アプローチ機能を備えており、対象機種の主翼・尾翼などの洗浄部位をプログラム指定することで、登録済みの機体表面までロボットアームが自動で接近。機体に近接する最終段階では、作業員と協働して繊細な微調整が行え、安全性を最優先しながら、作業精度と省力化を両立させられるとする。また、4WSの全向タイヤによる全方向移動が可能で、機体周辺で柔軟に取り回せるとのこと。

JALでは、機種ごとのプログラム指定による自動アプローチ機能や多軸制御を備えた「協働型機体洗浄ロボット」としての導入は、国内エアラインで初めてとアピールしている。

2. 現場DXによるウェルビーイング(働き方改革)の推進

AW3を導入することで、これまで夜間の手作業を中心に行われていた機体洗浄作業の工数を、1機あたり最大4割削減可能と見込む(Aerowashのカタログ値に基づく数値)。今後、現場運用で検証を重ね、作業者の省人化・生産性向上を推進することにしている。

作業員がこれまで行ってきた、高所作業や長時間の力仕事による身体的負荷を大幅に軽減。さらに、ドライ洗浄等で使う有機溶剤・化学物質に直接接触するリスクも低減でき、作業者の健康管理と安全性を高められるとする。

3. サステナビリティ(環境対策)への寄与

AW3の導入で、機体1機あたりの使用水量を削減でき、最大50%の節水効果が得られるとのこと(Aerowashのカタログ値に基づく数値)。ほかにも、ロボットの駆動源にはバッテリーを採用しているため、作業現場におけるCO2排出量の削減を図り、環境負荷低減に寄与するとのこと。