この半導体ニュースのまとめ

・リンテックが半導体研究拠点の建設に向け福岡県および糸島市と立地協定を締結
・約200億円を投じ、糸島市に「半導体ソリューションラボ」を2028年10月竣工予定
・中間・後工程設備を導入し、材料、装置、プロセスを顧客と共同開発する拠点として活用

リンテックは8月24日、福岡県糸島市に開設する半導体関連の研究施設「半導体ソリューションラボ」の建設に向け、福岡県および糸島市と立地協定を締結したことを発表した。

立地協定締結式は8月21日に福岡県庁で行われ、福岡県の服部誠太郎 知事、糸島市の月形祐二 市長、リンテックの服部真 代表取締役社長が出席。リンテックは、半導体事業への参入当初から九州と関わってきた経緯や、新拠点を福岡県内に設ける目的、施設・設備の概要などを説明したという。

約200億円を投じて2028年10月に竣工へ

半導体ソリューションラボは、福岡県の産業研究団地「糸島リサーチパーク」内に建設される。所在地は福岡県糸島市東で、敷地面積は3435m2。建屋は地上3階建て、延床面積は約5000m2。投資額は約200億円で、2028年10月の竣工を予定。従業員数は開設時に15人程度、将来的に25人程度を見込み、半導体・電子部品製造工程向け材料などの研究開発を進める。

福岡で培ったパッケージング技術開発を発展

建設予定地は、福岡県産業・科学技術振興財団が運営する「福岡超集積半導体ソリューションセンター」の隣接地となる。

リンテックは2023年10月、同センターの前身である三次元半導体研究センターに研究組織「実装技術開発室」を開設。研究員を常駐させ、半導体パッケージングに用いるテープ、関連装置、プロセス技術の開発を進めてきた。

また、福岡県による半導体産業の振興策が同社の成長戦略と合致するとして、2024年には企業版ふるさと納税制度を活用し、同センターの設備増強を支援するため1億円を寄付している。

今回の新施設は、こうした福岡での取り組みを発展させ、半導体業界の構造変化に対応する研究開発基盤を中長期的に強化するものとなる。リンテックは、福岡県や糸島市とも連携しながら、半導体関連分野における技術革新と事業成長を進める方針としている。

三次元実装やチップレット集積向け技術を強化

AI向けを中心とする半導体需要の拡大とデバイスの高性能化・高集積化に伴い、半導体製造では前工程と後工程の境界が曖昧になりつつある。特に、三次元実装やチップレット集積といった中間工程では、個片化したチップの加工、搬送、接合などに用いる材料やプロセスの重要性が高まっている。

半導体ソリューションラボでは、材料単体の開発にとどまらず、テープの貼付・剥離条件、装置との組み合わせ、材料評価、プロセス検証までを顧客と共同で進める。材料、装置、プロセスを一体で提案することで、顧客の次世代パッケージング工程への導入を支援する狙いがある。

また、国内、台湾、マレーシア、北米に設置しているアプリケーションセンターとも連携。各地域の顧客が抱える技術課題や評価結果を共有し、グローバルな研究開発体制と、材料・装置・プロセスのトータル提案力を強化していくとしている。