文部科学省は、世界トップレベルの研究水準を目指す「国際卓越研究大学」の第2期の公募で、京都大学を認定する方針を固めた。夏にも正式認定し、今年度に200億円程度の助成を見込む。10兆円規模のファンド(基金)の運用益により支援する制度で、有識者会議が審査結果をまとめた。認定は東北大学、東京科学大学に続き3校目となる。
初回公募で2024年11月に東北大を認定したのに続き、第2期の公募を昨年5月まで実施。初回に認定されなかった大学のうち、東京理科大学を除く8校が再挑戦した。識者や企業人11人からなるアドバイザリーボードが審査。昨年12月、東京科学大について今年4月の計画開始が適当とし、京都大について、体制強化計画を磨き上げた上で認定手続きに移るべきだとの審査状況を公表した。
京都大の計画は、教授や准教授、助教からなる研究室を基本単位とする少人数の伝統的な「部局小講座制」を廃止し、学術領域を基盤として研究者が連携する「デパートメント制」に移行することなどを柱とした。
12月の審査結果では、こうした計画を「研究成果を社会展開につなげる仕組みや、世界レベルのスタートアップ企業創出につなげる意欲的な計画。デパートメント制も、多様な視点での研究評価軸を設計し評価できる」などとする一方、「全学計画の策定や、全学のデパートメント制移行は途上」と指摘した。候補として、計画を磨き上げた上で認定手続きに移るべきだとした。
京都大がまとめた計画の2次案に対し、文科省が今月3日、審査結果を公表した。「全学計画の役割を担うものとして、研究改革推進指針を策定。5つの学術的価値と、社会の課題解決やイノベーション創出のための3つのベクトルなどを明らかにした。デパートメント制について、既に設置合意が複数存在するほか、来年度末までに全ての構成を決定し、2029年4月から全学で完全実施することが示された」などと見解をまとめた。「いずれの事項も計画の精査や具体化が図られ、国際卓越研究大学の認定、体制強化計画の認可の水準を満たし得る」と評価した。
松本洋平文部科学相は3日の閣議後会見で「京都大がわが国を代表する研究大学として飛躍的な成長モデルを確立し、 諸外国のトップレベル大学をもリードする研究大学となることを強く期待している」と述べた。
海外トップレベルの大学が近年、豊富な資金を背景に研究力を高めているのに対し、国内では論文の質や量などの低下が指摘されている。こうした中、政府は大学に世界トップクラスの研究者の獲得、若手研究者の育成、研究者の研究時間確保のための負担軽減などが求められるとし、卓越大制度を創設した。ファンドは科学技術振興機構(JST)が2022年3月に運用を開始した。支援期間は最長25年。第2期の公募で、東京大学は不祥事対応のあり方などが課題とされ、審査が続いている。
|
関連記事 |
