NECは7月6日、三井住友銀行と連携し、NECのサプライチェーン全体における温室効果ガス削減の取り組みを加速することを目的とした新たな金融スキーム「サプライチェーン包括型サステナビリティ・リンク・ローン」を開始すると発表した。
スキームの概要
同スキームは、NECのサプライヤを対象に、温室効果ガス削減の取り組みを金融面から支援するもの。サプライヤがScience Based Targets(以下SBT)水準のCO2排出削減目標を設定し、その達成状況に応じて金融条件が連動する仕組みとなっている。
日本では2050年のカーボンニュートラル実現に向け、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減する目標が掲げられており、脱炭素に向けた取り組みを支える環境金融の重要性が高まっているとされる。
NECは2040年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ(Net Zero)の達成を目標に掲げ、バリューチェーン全体の脱炭素化を推進しており、これまでも「NEC Green Supplier Program」を通じてサプライヤと一体となった段階的なCO2排出削減を進めてきたという。
今回のスキームは、こうした取り組みをさらに加速するため、金融面からサプライヤの脱炭素化を支援するものとしている。
今回のスキームでは、NECと取引関係のあるサプライヤが、フレームワークに基づきSBT水準に準拠したCO2排出削減目標を設定し、達成度に応じて金融条件が連動する。
「NEC Green Supplier Program」と連動し、サプライヤが排出量の把握から目標設定、削減の実行までを一体的に推進できるよう支援するとともに、進捗に応じて金利条件などのインセンティブを提供する。対象は、NECのサプライチェーンで大きな割合を占めるScope3カテゴリー1が中心となる。
同スキームは、サプライヤごとに設定するKPIに基づき金融条件が連動する仕組みで、各サプライヤが個別に活用できるほか、サプライチェーン全体への展開も可能な設計となっている。
なお、同スキームのファイナンスフレームワークは、国際基準および日本のガイドラインへの適合性について、格付投資情報センター(R&I)から第三者評価を取得しているとのことだ。
今後の展望
NECは今後、自社をゼロ番目のクライアントとして最先端技術を実践する「クライアントゼロ」の考え方のもと、本スキームで得られる実績やノウハウを、バイヤー企業間のサステナビリティへの取り組み状況を把握できる「Supplier Portal」と連携させ、同ポータルを利用するバイヤー企業やサプライヤ企業への展開拡大を図るとしている。
さらに、脱炭素に加え、人権や資源循環などのサステナビリティ領域への適用拡大を進め、包括的なサプライチェーンサステナビリティ経営の実現を目指すという。
