アサヒグループホールディングスがようやく25年度決算を発表 サイバー攻撃で4割減益

25年9月のサイバー攻撃の教訓と今後の業績見通しは

 アサヒグループホールディングスは、延期していた2025年12月期連結決算で、純利益が前期比36.7%減少の1215億円になったことを発表。売上高にあたる売上収益は2兆8946億円(同1.5%減)、営業利益は1858億円(同30.9%減)。システム障害による被害額は総額約400億円に達した。勝木敦志社長と役員3人は経営責任を取り、月額報酬の20%を3カ月返上。再発防止策とガバナンス強化も引き続き行う。

 昨年9月、同社に降りかかったサイバー攻撃(ランサムウェア)は、全産業界に激震を与えた。お歳暮時期、年末など繁忙期に商品の出荷が滞り莫大な被害を受けたことを受けて、産業界ではサイバー攻撃に備える動きも活発化。サイバーセキュリティが経営責任であるという意識改革のきっかけにもなった出来事と言える。地震や火災などの災害と同様、もしもの時にどう動くのか、日頃の訓練も重要だという経済人の意識の変化も生まれた。

 同社の業績(26年12月期)は、売上収益が11.2%増の3兆2200億円、最終利益が59.6%増の1940億円を見込む。

 グローバルでの高付加価値戦略や価格改定、積極的な販促などを含め、25年のマイナスを取り戻す見込み。

 国内は人口減少や若者のアルコール離れでビール市場の縮小は免れない中で、今年は10月の酒税改正に伴うビール類の税率一本化が行われる関係で、ビール会社各社にとっては追い風の年とも言え、各社の販売戦略が注目される。現在国内ナンバーワンブランドの同社の『スーパードライ』は、首位の座を保つことができるのか――。

 現在サイバーセキュリティの世界は、AIの急速な普及と進化で攻撃も日々高度化。攻撃に対して自立型AIエージェントで脆弱性を見つける方法が多くの企業で導入されており、まさにAI対AIの戦いとなっている。しかし、組織の脆弱性は人間の脆弱性でもある。AIが気づけない部分を人間が気づけるように、あくまでも人間が主導し、継続的なリテラシー向上に努める必要がある。