この半導体ニュースのまとめ

・北海道大学が「半導体ビジョン」とIFERSミッションを策定
・半導体を「つくる」「つかう」「つなぐ」で教育・研究・社会展開を一体化
・Rapidusを起点とした北海道発の半導体産業創出と人材育成を推進

北海道大学 半導体フロンティア教育研究機構(IFERS、アイファース)は、「北大半導体ビジョン」と、その実現に向けた「IFERSミッション」を策定したと発表した。半導体分野における教育・研究と社会連携を一体的に推進し、次世代産業の創出を目指す。

半導体を軸に北海道の可能性を拡張

今回のビジョンは、国際情勢の変化の中で北海道の重要性が高まっていることを背景に、地域の成長をけん引する中核として半導体を位置付けたものとなる。

特にRapidusの進出により、先端半導体の製造と研究拠点として北海道への注目が高まる中、大学として教育・研究・産業を接続する役割を担う狙いがある。

「つくる・つかう・つなぐ」で構造化

北大半導体ビジョンでは、半導体分野の活動を「つくる」「つかう」「つなぐ」の3つの軸で整理している。

  • 「北大半導体ビジョン」

    「北大半導体ビジョン」の概要 (出所:北大)

これは単なる製造技術の研究にとどまらず、応用展開や社会実装まで含めた広い視点で半導体を捉える枠組みであり、教育・研究と産業連携を同時に推進する構造となる。

ウェルビーイング社会を支える半導体

同ビジョンの特徴の1つが、人の温かみを持った半導体が活躍するウェルビーイング社会の実現という概念である。

半導体を単なる効率化のための無機的な技術としてではなく、人の生活や社会に寄り添う存在として位置付けることで、ウェルビーイング社会の実現に貢献しようというものとなる。

教育と社会実装を同時に推進

IFERSは、半導体分野のヘッドクォーターとして今回のビジョンを具体化する役割を担う位置づけで、北大全学のビジョンでも示されている「教育・研究の卓越性(Excellence)」と「社会展開力(Extension)」を両立させ、実社会に根ざした価値創出を重視する方針を掲げている。

  • IFERSの3つのミッション
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  • IFERSの3つのミッション (出所:北大)

光は北から世界へ

北大は今回のビジョンについて、Rapidusの北海道への進出を受けて先端半導体の集積地となる「光は北へ」から始まり、北海道発の先端半導体研究ならびに人材育成を推進する「光は北から」、そして先端半導体を活用して世界を変える「光は世界へ」というステップの道しるべとしての役割となると説明している。

こうした取り組みは、単なる地域振興ではなく、半導体を軸に北海道から世界へ価値を発信する構想と捉えることができる。

半導体は「地域戦略」の中核へ

AIの社会実装が進む中、その能力の根幹となる半導体の製造を担当する半導体産業は、多くの人や企業が関わるエコシステムが構築されている。そのため、その拠点には多くの人が集まることとなる。そうした観点から見れば、半導体産業は単なる製造業の一分野ではなく、地域戦略そのものを支える基盤として位置付けられるだけの価値を持つ存在となる。

今回のビジョン策定によって、北大の半導体に対する方向性が示されたことは、Rapidusをはじめとする産業側の動きと、大学による教育・研究基盤の連携が推進することにつながり、将来的な北海道を中心とした新たな半導体エコシステムの形成へと発展することが期待される。北大はimecとも協業しており、そうした面も加味する形で今後の人材育成と産業競争力の両面において、同大主導の取り組みが重要性を増していくとみられる。