Googleが5月19日、20日に開催した「Google I/O」で、検索ボックスを「25年以上で最大のアップグレード」と銘打って刷新した。
長年にわたってWebの入り口だった青いリンクの一覧は脇役に追いやられ、AIが生成するゼロクリック回答が前面に出る設計へと切り替わった。この変化を、インターネットの「黄金時代」が完全に幕を閉じた象徴と位置付けている。
インターネットの「黄金時代」とは何だったのか
まず黄金時代とはどういうことか。これは「検索ツールが力を与えるものと感じられ、SNSとスワイプが目新しく、大衆の幻滅がまだ訪れていなかった時代」としている。だが、その後にプラットフォームへの不信と疲弊が広がった。
Gallupの調査によれば、ビッグテックに高い信頼を寄せる米国人の割合は2020年の32%から2025年には24%へと低下。Pewの調査では、テック企業が国に良い影響を与えていると答えた割合が2015年の71%から2019年にはわずか4年で50%にまで落ち込んでいる。
かつて2010年のPew調査では、テック企業は小規模ビジネスと並んで最も好意的に評価される業界の1つだった。各プラットフォームはこうした不満と疲弊に対応する形で、設計を根本から変えてきた。
SNSやマッチングアプリに広がる“疲れ”とUX転換
FacebookやInstagramは、ユーザーが能動的にフォローした相手の投稿よりも、アルゴリズムが推奨するコンテンツを優先する仕様に移行した。TikTokとYouTubeの台頭がこの流れを後押しした。
マッチングアプリでも変化が起きている。特にZ世代の間でアプリ疲れが広がる中、BumbleはスワイプUIの廃止を検討しており、CEOのWhitney Wolfe Herd氏はAxiosのインタビューでその方針を明らかにした。
そのような流れの中え、Googleの新しい検索ボックスへの切り替えとなる。この検索刷新が直撃するのはユーザーだけではない。
長年、Googleからのトラフィックを前提に成長してきたメディア、SEO事業者、アフィリエイトサイト、レビューサイトにとって、ゼロクリック回答が主役となった新しい検索体験は、ビジネスモデルそのものへの打撃だ。青いリンクはまだ残るが、二次的な選択肢へと格下げされた。
AIが壊す既存ビジネスモデル
注目すべきは、初期インターネットを築いた企業自身がその解体を急いでいるという構図だ。
GoogleやMetaは、すでに数千億ドル規模の収益を生み出している既存サービスに対し、次のビジネスモデルが確立しないままAIを組み込み、ユーザー体験を根底から作り替えている。
世論調査が示すのは、各社がAI製品への移行を積極的に進める一方で、米国人のビッグテックへの懐疑心は依然として根強いという現実だという。5月23日付けのAxiosが報じている。