電通は7月27日、生成AIを活用した新たなマーケティング手法「DNAマーケティング」(本質的な親和性(本質的な親和性=Discover Native Affinity:DNA)を開発したと発表した。 ブランドやコンテンツ、メディア、地域など多様な対象の価値を共通の構造で捉え、多数の候補から本質的な親和性の高い組み合わせ、すなわち「勝ち筋」とその根拠を発掘する手法だという。
開発の背景
これまでのマーケティング実務では、生活者の価値観や嗜好、行動データなどを用いた分析が行われてきたが、ブランドとコンテンツ、スポーツと企業、作品とメディアなどの候補選定や評価は、担当者の経験や既存のカテゴリー、個別の指標に依存しやすかったという。
このため、多数の候補を一貫した基準で比較し、親和性の根拠を合理的に説明することは容易ではなかったとしている。同社は、こうした課題を踏まえて同手法を開発したとしている。
「DNAマーケティング」の概要
DNAマーケティングでは、各対象が持つ機能的価値、情緒的価値、体験価値、文化的背景などを共通の価値構造として整理し、対象間で共有される価値や、生活者に共感が生まれる可能性を分析する。生成AIを活用して候補群を幅広く評価することで、担当者の経験や既存指標だけでは見いだしにくかった組み合わせを、根拠とともに提示できるという。
価値構造の設計と評価基準には、同社が長年のマーケティング・クリエイティブ実務や、コンテンツ・メディアビジネスの現場で蓄積してきた知見を反映した。過去のコラボレーション事例や成否を分けた特徴、避けるべき組み合わせといった暗黙知もデータとして組み込むことで、汎用的なAIと公開データだけでは再現できない分析モデルを実現したとしている。
同手法の特徴として、対象の種類を問わず共通の価値構造で「DNA化」する点、対象同士の親和性とその背景を発見する「対象同士のマッチング」、生活者の価値観や嗜好、心理的背景と対象の価値構造を照合する「生活者と対象のマッチング」の3点を挙げている。
活用領域としては、ブランド×ファン、スポーツ×企業、コンテンツ×メディア、地域×生活者など、多様なマッチング課題に横断的に適用できるという。すでに複数の企業との実証を通じて有効性を確認したとしており、コンテンツ企業のドラマ作品と親和性の高いテレビ番組枠の発見や、飲料メーカーのブランド価値に合致するデジタル配信面の発見といった事例を紹介している。守秘義務の観点から企業名は非公表で、内容の一部を加工している。
同社は今後、DNAマーケティングをAI活用型マーケティングソリューション群「AI For Growth Suite」などに組み込み、クライアント企業のマーケティング課題解決に向けて適用領域を拡大していくとしている。



