この半導体ニュースのまとめ

・インフィニオンがAIサーバ向けデジタル電源コントローラ「XDPP1188-200C」を発表
・800V DCアーキテクチャに対応
・電源のグリッドからコアまでをカバーする統合的な電源アーキテクチャ構築を目指す

Infineon Technologies(インフィニオン)は、同社のデジタル電源コントローラICファミリ「XDP」にAIサーバの電源アーキテクチャに対応する新製品「XDPP1188-200C」を追加したことを発表した。48V電源系から低電圧への変換に加え、将来的な±400Vや800V DC電源システムへの対応を見据えたものとなるという。

  • 「XDPP1188-200C」のパッケージ外観イメージ

    デジタル電源コントローラIC「XDPP1188-200C」のパッケージ外観イメージ (出所:インフィニオン)

AIサーバで顕在化する電源設計の高度化

生成AIの普及に伴い、AIサーバの消費電力が増加傾向にあり、より高電圧・高効率な電力供給アーキテクチャへの移行が期待されるようになっている。従来の12V系に代わり、48V中間バスやさらに高電圧のDC配電が検討される中で、電力損失の低減と電源効率の最適化が重要な設計課題となっている。

同製品は、こうした動向に対応することを目的として開発されたもので、48Vから12V以下への変換や、今後の800V DCといった高電圧系からの電力変換にも対応することで、AIサーバの電源設計の柔軟性を高める狙いがある。

高速負荷変動への応答性を強化

AIサーバでは、アクセラレータの稼働状況に応じて電力需要が急激に変動するため、電源系には迅速な応答性が求められる。同製品は、フィードフォワード制御を含む高度な制御機構を備えることで、急激な負荷変動時でも安定した電圧制御を維持することを可能にしたとする。

また、非線形の高速過渡応答機能を搭載し、動的な入力変動下でも高い安定性を確保することで、AI処理負荷に追随できる電源供給を実現するともしている。

効率と柔軟性を両立する電源制御

さらに、軽負荷時の電力効率向上を目的に、位相制御やバースト動作といった電源管理機能を搭載し、広い負荷範囲での高効率動作を実現するほか、双方向電力制御にも対応することで、システム内での電力フローの最適化にも寄与するとしている。

加えて、ADC入力の拡張によりインターリーブ構成をサポートし、より高出力化が求められるシステムにも対応できる設計となっているともする。

AIインフラ全体をカバーする電源ポートフォリオの一環

なお、Infineonでは、同製品を同社のAIサーバ向け電源ソリューション群の中で、中間バス変換から最終電圧レギュレーションまでをつなぐ制御ICとして位置付け、Si、SiC、GaNといった複数材料を組み合わせた電力デバイス群と合わせることで電源のグリッドからコアまでをカバーする統合的な電源アーキテクチャを構築する方針だ。

なお、XDPP1188-200Cはすでにサンプル供給を開始しており、2026年第1四半期中の量産開始が予定されている。