パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は5月12日、2025年度の年間決算およびグループ成長戦略に関する説明会を開催。同年度実績としては減収減益となったものの、パナソニック オートモーティブシステムズ(PAS)の非連結化影響を除くと、調整後営業利益ベースで増収増益となったことなどを報告した。

また2025年度の実績報告と併せて、翌2026年度の業績見通しについても説明。減収増益となる見通しではあるものの、為替影響に加えてパナソニック ハウジングソリューションズ(PHS)などの非連結化影響が主要因であり、それらの影響を除くとすべての事業セグメントで実質増収となる見込みであることなどを発表した。

  • パナソニックHD 2025年度決算説明会の様子

    パナソニックHD 2025年度決算説明会の様子

“我慢の1年”を乗り越え構造改革も予定完了

パナソニックHDの2025年度連結業績は、売上高が8兆487億円で前年比95%、調整後営業利益(率)が4474億円(5.6%)で前年比96%と、減収減益という結果に。ただしPASの非連結化影響を除いた場合は売上高が前年比103%、調整後営業利益が101%と増収増益となったとする。また営業利益および純利益については、2025年2月より推し進められてきた「グループ経営改革」に関わる構造改革費用を計上したこともあり減益。営業キャッシュフローについても、構造改革費用などの影響で前年からは減少した。

  • 2025年度連結業績

    パナソニックHD 2025年度連結業績(出所:パナソニックHD)

事業セグメント別で見ると、パナソニック コネクト・パナソニック エレクトリックワークス(パナソニックEW)・パナソニック エナジー・パナソニック インダストリー(PID)は昨年比で増収。一方でパナソニック 空質空調社などを前身とする「パナソニック HVAC & CC」とスマートライフ領域では減収となった。

  • セグメント別実績

    セグメント別の2025年度実績(出所:パナソニックHD)

また調整後営業利益では、コネクト・パナソニックEW・HVAC & CC・PIDが増益となったのに対し、エナジーおよびスマートライフでは減益。コネクトのアビオニクスおよびプロセスオートメーション、パナソニックEWの電材事業が堅調に利益を伸ばしたものの、エナジーでは米国関税の影響やカンザス工場の立ち上げに加え、過去の製造不具合対応費用を計上したこともあり、データセンター向け蓄電システムは好調に推移したもののエナジー全体では減益となった。加えて、テレビ事業における協業体制強化に伴う構造改革費用が影響したスマートライフ領域も、減益となった。

  • セグメント別の売上高増減要因

    セグメント別の売上高増減要因(出所:パナソニックHD)

  • セグメント別の調整後営業利益増減要因

    セグメント別の調整後営業利益増減要因(出所:パナソニックHD)

なお、グループ経営計画における構造改革費用としては、1745億円を計上。構造改革は期初の予定通り2025年度にて完了したといい、人員減少は当初の予定を上回る1万2000人規模となった。なお同年度に得られた構造改革効果は450億円としている。

2026年度の増益へデータセンター需要への対応がカギ

続いて発表された2026年度の連結業績見通しとして、パナソニックHD 取締役執行役員 グループCFOの和仁古明氏は、売上高7兆6000億円、調整後営業利益は6000億円で、減収増益とした。なお営業利益は5500億円、純利益は4200億円と、増益および前年度構造改革費用の反動から、いずれも前年比200%以上の増益になる見込みだという。

  • 2026年度の連結業績見通し

    2026年度の連結業績見通し(出所:パナソニックHD)

セグメント別で見ると、堅調な推移が予測されるコネクト・パナソニックEWなどに加え、北米市場での顧客車両生産回復に伴う車載電池の増販や、データセンター向け蓄電システムの販売拡大による大幅増収が見込まれるエナジー、構造改革費用の反動やその効果が期待されるスマートライフ領域が増益となる見込み。特にデータセンター向け蓄電システムについては、従前の想定を上回る市場拡大が進んでいることから、当初は2028年度の目標として定めていた売上高8000億円の達成を1年前倒しし、2028年度には2025年度比で約3倍の規模となる9500億円まで目標を引き上げるとしている。

  • セグメント別の2026年度見通し

    セグメント別の2026年度見通し(出所:パナソニックHD)

  • 2026年度事業環境展望

    セグメント別の2026年度事業環境展望(出所:パナソニックHD)

さらに、グループ経営改革における固定費構造改革の効果も拡大する見通しだ。2025年度に発表されたハウジングソリューションズ事業の株式譲渡や車載事業におけるFicosa株式譲渡などに加え、決算発表同日には、PIDの車載用モータ・車載用冷却ファンモータ事業についても、ミネベアミツミに全株式を譲渡するなどの契約を締結予定と発表。こうした取り組みの結果、2025年度・2026年度の2年間で1450億円の調整後営業利益改善効果が見込まれるとした。

  • 事業ポートフォリオマネジメント推進実績

    事業ポートフォリオマネジメント推進の2025年度実績(出所:パナソニックHD)

なお和仁古CFOによれば、2025年度の年間配当は、2025年8月29日の公表から変わらず40円(配当性向49.3%)で決定されたとのこと。一方、2026年度の年間配当予想は14円増配となる54円が見込まれているといい、年間の純利益見通しに対する配当性向は30%と、パナソニックHDが連結業績に応じた安定的・継続的な配当とする目安の割合を実現するという。そして和仁古氏は、「安定的かつ継続的な配当を実施するとともに、事業成長・利益拡大を通じて、企業価値の向上を実現していく」と語った。