NTTデータグループは5月8日、2025年度の通期決算について発表し、説明会を開いた。連結での営業収益は対前年3659億円(7.9%)増の5兆46億円、営業利益は同1643億円(50.7%)増の4882億円、四半期利益は同12585億円(90.4%)増の2651億円と、対前年で増収増益となった。
代表取締役社長 CEOの佐々木裕氏は「売上高5兆円、受注高6兆円をそれぞれ突破した。営業利益や当期利益を含めて主な財務指標は過去最高を更新しており、中でも売上高と当期利益は業績予想を達成できた」と振り返った。
大型案件獲得で増収増益、営業利益は50%増
通期の受注高は、対前年比で1兆489億円(21.1%)増加し、6兆105億円だった。日本セグメントでは主に公共・社会基盤分野と金融分野の大型案件獲得により、4081億円の増加。海外セグメントではGTSS(Global Technology and Solution Services)を中心とする大型案件の獲得により、6545億円の増加だ。
売上高は同3659億円(7.9%)増の5兆46億円。日本セグメントは規模拡大により1395億円の増収となり、海外セグメントではデータセンター譲渡益に加え、APAC(アジア太平洋地域)を除く各事業が拡大したことで2583億円増加した。
営業利益は同1643億円(50.7%)増の4882億円だった。国内では198億円、海外では385億円、データセンター譲渡益が1295億円と、いずれも増益となった。
特に日本セグメントの受注高は、公共・社会基盤分野と金融分野における大型案件獲得があったほか、法人分野も含めた全ての事業で増加した。売上高は主に中央府省や地域金融機関向けの規模拡大により、各事業で増収を記録。営業利益は公共・社会基盤分野は対前年減益となったが、金融分野と法人分野の増益によりセグメント全体では増益となった。
売上高5兆円突破、中計の主要目標を達成
佐々木氏は続いて、2022年度から2025年度までを対象とする中期経営計画の達成状況を振り返った。
同氏によると、連結売上高5.0兆円(目標4.7兆円)、顧客基盤125社(目標120社)、連結営業利益率10.2%(目標10%)、海外EBITA率11.7%(目標10%)と、主要な経営目標はいずれも達成したとのことだ。
同氏は「70以上の国と地域にカバレッジを拡大し、従業員は20万人規模、海外売上比率も約6割となり、グローバルのIT市場で売上規模がトップ5に入るポジションまできた」と胸を張った。
AI基盤「NTT DATA AIVista」で業務変革を支援
NTTデータグループはAI技術の進展をさらなるビジネス機会と捉え、新たな成長戦略を示した。同社はAIの業務代替や高度化の対象はホワイトカラー領域からエッセンシャルワークへと拡大し、従来はIT活用が限定的だった領域でもチャンスが広がると見ている。
「2025年12月に米国シリコンバレーに設立したNTT DATA AIVistaでは、順調に高度AI人材の登用を進めている」と佐々木氏。
NTT DATA AIVistaは日進月歩で変化するAI技術を取り込み、NTTデータグループにおけるAI戦略の中核として顧客への価値提供を推進するとのことだ。
具体的には、NTT DATA AIVistaはコアAIプラットフォームの開発を担う。このプラットフォームは顧客の業務手順を最適化するエージェントワークフロー機能、顧客が持つデータや業務手順を整理するデータマネジメント機能、用途に応じてモデルを使い分けるLLM連携機能を備える。
これらのAIビジネスを支える基盤が、「Next-Gen Infrastructure」だ。顧客の要望に応じた"AI-Ready"なインフラをフルスタックで提供する。ソブリンクラウドやソブリンAI環境により、高いセキュリティ要件が求められる顧客にも対応する。
2030年度までに3ギガワット規模のデータセンター提供へ
NTTデータグループは2030年度に向けて、データセンターがAI時代の中核となる重要インフラと位置づけ、積極的な投資を継続。3ギガワット超の提供規模を目指す。特に都市部近郊のクラウド・AI推論にフォーカスし、ハイパースケーラを主軸に事業を展開する。
同様に、2030年までの戦略として、同社は「AI-empowered New Value & Productivity」と「Next-Gen Infrastructure」の2つの領域にフォーカスし、2030年度にEBITDA1.2兆円を目指す方針だ。
2026年度は増収見通し、AI活用で生産性向上へ
NTTデータグループの2026年度の業績予想は、営業収益が対前年1854億円(3.7%)増の5兆1900億円。営業利益はデータセンター譲渡益を含め同182億円(3.7%)減の4700億円、四半期利益は401億円(15.1%)減の2250億円。いずれも為替レート152円での試算。
日本セグメントでは受注高が前年から455億円(2.1%)減少するものの、売上高と営業利益が前年より拡大する計画だ。増収に伴う増益に加え、AIの活用などで生産性を向上し、約350億円(15.6%)の増益を見込む。







