20日午後4時52分ごろ、三陸沖を震源(深さ19キロ)とするマグニチュード(M)7.7の地震が発生し、青森県階上町で最大震度5強など、東北地方を中心に北海道から東海地方、一部近畿地方までの広い範囲で揺れ(最小震度1)を観測した。

気象庁は地震直後、北海道太平洋沿岸中部と青森県太平洋沿岸、岩手県に津波警報を、北海道太平洋沿岸東部と西部、青森県日本海沿岸、宮城県、福島県に津波注意報を出した。岩手県の久慈港で80センチなど、各地で津波を観測したが警報、注意報ともに20日中に解除された。総務省消防庁によると、この地震で最大18万人以上に避難指示が出された。21日午前現在、けが人は出たが大きな人的被害は確認されていない。

気象庁は20日午後7時半、より大きい後発地震が発生する確率が高まったとして「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表。北海道から千葉県までの7道県182市町村を対象に今後1週間、巨大地震への警戒を呼びかけた。この注意情報は昨年12月以来2回目。事前避難は求めていないが、社会経済活動は継続しつつすぐに逃げられる態勢を維持し、非常持出品を常時携帯するなど「特別の備え」が必要としている。

同庁の担当者は記者会見で「1週間以内に大規模地震が起きる可能性は平常時の10倍になる。実際に大規模地震が発生するかどうかは不確実だが、自らの命は自ら守るという考えで防災対応をとってもらいたい」と述べた。内閣府の担当者は、地震予知などの偽情報や誤情報を拡散しないよう注意喚起し、食料品の必要以上の買いだめも控えるよう呼びかけた。

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    4月20日午後4時52分に発生した三陸沖を震源とする地震の各地の震度。×印は震央(気象庁提供)

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    北海道・三陸沖後発地震注意情報の発表に伴い防災対応をとるべき地域(黄色の部分)。7道県182市町村に及ぶ(気象庁提供)

世界の大規模地震の統計データから、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の震源域内でM7以上の地震が起きた場合は続けて大規模地震が起きる可能性が高まるとして、国は甚大被害を軽減する目的で2022年12月に北海道・三陸沖後発地震注意情報の運用を開始した。東日本大震災の2日前にM7.3の前震があったことなどを踏まえた措置だ。

2019年から運用されている「南海トラフ地震臨時情報」は「巨大地震警戒」と「巨大地震注意」の2種類があり、前者は一部住民に事前避難を求めるが、後者は求めない。北海道・三陸沖後発地震注意情報は、事前避難を求めない点では後者と似ている。25年12月8日、青森県で震6強を記録した地震で初めて発表されたが、大地震は起きていない。

気象庁によると、過去の世界的な大規模地震例から推定される「7日以内にM8級以上の大規模地震が起きる確率」は100回に1回程度。平常時は1000回に1回とされ、単純計算ではリスクは10倍になる。

これまで日本海溝・千島海溝沿いでは、M7からM8級のさまざまな地震がたびたび発生している。国の想定では、冬の深夜にM9級の巨大地震が発生した場合、死者は日本海溝地震では約19万9000人、千島海溝地震では約10万人に上るが、早期避難などにより死者の約8割を減らせるとしている。

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    北海道・三陸沖後発地震注意情報が出た場合の対象地区の住民が取るべき行動(気象庁提供)

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    今回の三陸沖地震の震央の周囲では1994年10月以降多くの地震が発生している(気象庁提供)