Windows Centralは4月19日(米国時間)、「14 defaults I think are worth changing: Windows 11 feels modern, but many out-of-box settings push services, tracking, and clutter.|Windows Central」において、Windows 11のプライバシー、パフォーマンス、視認性を向上させる14の設定を伝えた。
Windows 11は「クラウド」および「おすすめ」機能を有効化した状態で出荷される。デフォルトでこれら機能が動作しており、テレメトリーの収集、プロモーションプロンプトの表示、多数のバックグラウンドプロセス、Microsoftアカウントの強制などを正当化する理由にもなっている。
不要な機能は無駄にシステムリソースを消費し、全体のパフォーマンスを低下させ、また一部機能はユーザーと交わした許諾範囲内でプライバシーを侵害する可能性がある。そこでWindows Centralはさまざまな問題の原因となる14のデフォルト設定について調整方法を解説している。
Windows 11はなぜ「使いにくい」と感じるのか
Windows 11は、初期設定で不要な機能が有効化されているため、使いにくいと感じる。
Windows CentralはWindows 11のデフォルト設定がサービス、自動化、推奨事項に過度に偏っていると指摘している。時代の潮流に乗り企業利益を優先する仕組みで、オペレーティングシステムに求められるシンプルさや制御性を見失っているという。
その結果、ユーザーは環境を整えるのに時間を取られ、Windows 11の印象を悪化させる可能性がある。この問題の解決には目的に合わせたプリセットの提供や、設定のローカルバックアップの提供などが考えられるが、いずれも提供されていない。
まず見直すべき設定はどれか
特に影響が大きい設定は次の3つだ。
- スタートメニューのWeb検索
- おすすめとプロモーション表示
- 診断データと追跡
これらは動作の遅さや不要な情報表示、プライバシー懸念の原因になりやすく、優先的に見直すことで体感的な改善が期待できる。
変更すべき14の設定一覧
次の14項目を見直せば、Windows 11の使い勝手は大きく改善する。
- スタートメニューのWeb検索
- おすすめ表示
- 診断データ
- プロモーション通知
- デバイスの位置追跡
- タスクバー機能
- Edgeの自動起動
- BitLocker(暗号化)
- ファイル拡張子
- ローカルアカウント
- プリインストールアプリ
- 自動更新と再起動
- コンテキストメニュー
- プロモーションコンテンツ
検索とスタートメニューの設定はどう変えるべきか
Web検索とおすすめ表示はオフにするのが基本だ。
スタートメニュー上部に位置する検索入力欄、すなわちWindows SearchはデフォルトでWeb検索に対応している。入力されたクエリーをMicrosoftの検索エンジン「Bing」に送信し、その結果をローカル検索の結果と合わせて表示する。
この動作はクエリー送信によるプライバシーの侵害、レイテンシーによる表示の遅延、不要な情報の表示といった問題を引き起す。ローカル検索のみを必要とするユーザーには無用の長物であり速やかに無効化することが推奨される。
機能を無効化するには設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsのアクセス許可」セクションの「検索」→「検索のハイライトを表示する」をオフにする。
スタートメニューは時折おすすめアプリの強調表示や、Microsoftのサービス提案を表示することがある。この機能が煩わしい場合は、設定アプリの「個人用設定」→「スタート」→「ヒント、ショートカット、新しいアプリなどのおすすめを表示します」をオフにする。
プライバシー設定はどこまで見直すべきか
収集する診断データは最小限に抑えておくべきだ。
MicrosoftはWindowsを通じてさまざまなユーザー情報を収集している。通常はデータを匿名化して送信するが、システム負荷の増加、ネットワークリソースの消費、プライバシー侵害の懸念がある。
ユーザーには基本的にメリットがない機能のため速やかに無効化したいところだが、残念ながらこの機能はシステムコンポーネントに組み込まれており完全に無効化することはできない。通信のブロックやレジストリー調整などの回避策は存在するが、上級ユーザー向けの対策となるため推奨しない。
そこで今回は設定アプリから機能を制限する次の2つの対策を提案する。
- 設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」→「推奨事項&オファー」→不必要な項目をすべてオフにする
- 設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」→「診断とフィードバック」→「オプションの診断データを送信する」をオフにする
また、セットアップ後や更新後に表示されるプロモーション通知もオフにしておくとよい。
Windows 11にはデバイスの紛失時に捜索を支援する「デバイスを探す」機能が搭載されている。便利な機能だが、継続的な位置追跡に抵抗がある場合は無効化しておくとよい。
パフォーマンスに影響する設定は何か
不要な常駐機能や通知をオフにする設定も行うべきだ。
Windows 11ではタスクバーの機能としてウィジェットやCopilotなどが提供されている。これら機能を不要とする場合はオフにすることで、画面の整理とリソース削減につながる。これら機能を不要とする場合は、設定アプリの「個人用設定」→「タスクバー」のタスクバー項目から不要な機能をオフにする。検索入力欄は「非表示」を選択することで隠すことができる。
また、Edgeはバックグラウンドで自動起動し、起動速度の向上などに寄与する仕組みを持つが、利用しない場合は無効化したほうがよい。不要なプロセスの削減により、システム全体の負荷軽減が期待できる。この動作を無効化するには、Edgeの設定→「システムとパフォーマンス」→「システム」→「スタートアップブースト」をオフにする。
セキュリティとトラブルを防ぐ設定は何か
暗号化と拡張子の設定は必ず確認すべきだ。
Windows 11は標準でディスクの暗号化を行うが、回復キーの管理を怠るとデータ消失のリスクがある。そのため、暗号化状態を確認し、必要に応じて回復キーをバックアップしておくことが重要だ。そこで設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」→「デバイスの暗号化」を表示して暗号化の状態を確認することが推奨されている。暗号化が実行され、その状態を維持する場合は回復キーをバックアップしておくことが強く推奨される(参考:「Windows 11のBitLocker自動化でデータ紛失のリスクが増加、対策とは | TECH+(テックプラス)」)。
また、ファイル拡張子を表示しない設定はセキュリティ上のリスクとなる。拡張子を常に表示する設定に変更することで、不正なファイルの判別が容易になる。拡張子を表示するにはツールバーの「表示」→「表示」→「ファイル名拡張子」をチェックする
その他の変更すべきデフォルト設定
ここまでに紹介した設定のほか、日常操作や快適性に関わる設定も見直しておきたい。
その他の変更すべきデフォルト設定は次のとおり。
- ローカルアカウントでセットアップ - Windows 11の最小システム要件はMicorosftアカウントを必須要件の1つに定めている。しかしながら、クラウドサービスの利用予定がないユーザーには迷惑な要件となる。そこでWindows Centralは「Setting up Windows 11 without a Microsoft account | Windows Central」を参考に、ローカルアカウントでセットアップすることを提案している
- プリインストールアプリ - Windows 11はセットアップを完了した時点でサードパーティーアプリを含む複数のアプリをインストールする。これらアプリが不要な場合は、スタートメニュー→アプリアイコンを右クリック→「アンインストール」で削除できる
- 自動更新と再起動 - Windows 11の更新プログラムはインストールを回避することができない。現状では最大5週間のインストール延期と、再起動のタイミング調整が可能。作業中の再起動は影響が大きいため、再起動タイミングを事前に設定しておくことが推奨されている。設定は設定アプリの「Windows Update」→「詳細オプション」→「アクティブ時間」から行う。なお、猶予期間の上限は年内の撤廃が予定されており、事実上の無期限停止が可能になる見込み
- コンテキストメニューのレガシーオプション - Windows 11ではエクスプローラーのコンテキストメニューが刷新された。従来のレガシーオプションを「その他のオプションを確認」に集約し、シンプルな表示を採用している。しかしながら、レガシーオプションを日常的に利用していたユーザーには迷惑な変更となる。レガシーオプションを速やかに表示するには、ショートカットキー「Shift+右クリック」を使用する
- プロモーションコンテンツの削減 - Microsoftはさまざまな機会を通じてユーザーに自社製品を宣伝する。この機能を完全に無効化することはできないが、軽減する手立てはある。Windows Centralは「Get rid of ads on Windows 11 | Windows Central」として手順を解説し、実施を推奨している
Windows 11は「設定前提」のOSになっている
WIndows 11は初期設定のままでは快適に使えない場面も多く、ユーザー自身が環境を最適化することが前提となっている。
Microsoftはユーザーの信頼回復を目的に、Windows 11の改善計画を発表し、前述のデフォルト設定のいくつかを改善する予定としている。しかしながら、大部分の設定は依然として手動で調整しなければならず、設定の煩わしさは解決が見込めない状況だ。
初めてコンピュータに触れる初心者には多くのエクスペリエンスを提供する必要がある。そのために煩わしい機能も必要だとの主張は間違いとは言えない。とはいえ一括設定を提供せず、セットアップする度に煩わしい作業を強制する設計には問題がある。Microsoftにはユーザーを都合のよい方向に向かわせるのではなく、ユーザーの望むオペレーティングシステム環境を提供することが望まれている。
