Windows Centralは6月3日(米国時間)、「PC shipments plunged in early 2026 and IDC warns the worst is still ahead for the global PC market|Windows Central」において、PC出荷台数が減少傾向にあると伝えた。
IDCによると減少傾向はすでに始まっており、年内のPC出荷台数は通年で11.3%の減少が見込まれるという。
AIブームが世界的なメモリ不足を招く
減少傾向の主な要因はメモリ不足だという。2027年末まで大幅な改善は期待できず、慢性的な不足が続くと予測されている。
この予測は需要企業も把握していたとみられ、2026年第1四半期に3%の出荷増が観測された。いわゆる駆け込み需要による増加が起きたわけだが、その反動はすでに起きており、第3四半期以降は急激に悪化する可能性があるという。
世界的なメモリ不足の原因は、生成AIの台頭にある。AIモデルの実行には大量のリソースが必要なため、このリソースを確保するために世界中でAIデーターセンターの建設が行われ、その結果メモリの供給不足に陥った。
特に生成AI向けGPUは大量のHBM(高帯域幅メモリ)を必要とするため、メモリメーカー各社はPC向けDRAMよりもAI向け製品の増産を優先しているとされる。
TrendForceの予測によると、2026年のHBM(高性能メモリ)の需要は前年比で130%増加し、AIデーターセンターの全体に占める消費量は前年比で70%以上の増加が見込まれるという。
AI向けHBMは従来のPC向けDRAMより高い収益が期待できることから、メモリメーカーは生産能力をHBMへ振り向ける傾向を強めている。
8GBモデル増加はPCメーカーの苦肉の策
2025年以前は16GBまたは32GBのメモリを搭載した製品が主力を占めていた。しかし現在は、PCメーカー各社が価格上昇を抑えるため、メモリ容量を削減したモデルの投入を増やしている。MacBook Neoもその流れの一例とみられる。
PCメーカー各社は価格上昇を抑えるため、メモリ容量を削減したモデルの投入を増やしている。MacBook Neoもその流れの一例とみられる。
この省メモリ化の流れについて、IDCは予測不能な要素の1つと指摘。8GBモデルの普及により出荷台数は一時的な回復をみせ、PC価格の上昇を部分的に相殺したことが報告されている。ところが全体の平均販売価格の上昇傾向は続いており、今後2年以内に価格が以前の水準まで戻る可能性は低いと予想されている。
今後のPC市場は、価格上昇を受け入れるか、メモリ容量を抑えた製品を選ぶかという選択を迫られる可能性がある。
どちらに転ぶかは市場次第だが、IDCは2026年第4四半期に前年同期比で20%の出荷台数減少を予測している。この流れは2027年一杯まで続くとみられており、少なくともPC価格の上昇は今後も続く見通しだ。
