スペースデブリの状況把握に向けたサービス開発で富士通とBULLが協業検討
宇宙ベンチャーのBULLと富士通は4月21日、安全かつ持続可能な宇宙活動に向けて地球周回軌道上のスペースデブリの状況を把握する独自の高精度宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)サービスの開発検討に向けた覚書(MOU)を締結したことを発表した。
複数の人工衛星を連ねる形で同じ衛星軌道上に打ち上げ、連続的かつ高頻度な地球観測や通信を可能とする衛星コンステレーションの活用が近年、急速に拡大しているが、軌道上を飛行する人工衛星が増えれば、その分、衛星の故障によってスペースデブリとなったり、機体やデブリとの衝突によってさらなるデブリが生じるリスクの高まりが世界的に器具されるようになっており、高精度やSSAの実現と、それに基づく人工衛星の打ち上げから廃棄までを管理する宇宙交通管理(Space Traffic Management:STM)の構築が世界的に求められるようになっている。
宇宙交通管理の実現に向けて2社で技術を持ち寄り
BULLは、ロケットや人工衛星に搭載することでスペースデブリとなることを防ぐデブリ対策装置(Post Mission Disposal:PMD装置)「HORN」などの開発を通じて、スペースデブリ対策を推進してきたほか、ロケットや人工衛星およびその周辺のデータを取得する技術開発などに取り組んでいる宇宙ベンチャー。一方の富士通は1960年代より、スペースデブリなどの軌道解析に関する大規模データ処理基盤と高精度な軌道解析技術の研究開発および社会実装に取り組んできた実績があり、今回、富士通のイノベーション創出に向けたパートナー共創プログラム「FUJITSU ACCELERATOR」を通じる形で、両社が協力して新たな宇宙向けサービスの創出に向けた協業を検討するに至ったという。
具体的には、日本独自の民間向けSSAサービスにおいて、人工衛星の軌道上データ取得から運用支援を含む一貫したサービスおよびビジネスモデルを検討するとともに、BULLは、HORNから取得する軌道上データを活用し高精度な軌道解析をするモデルの構築を、富士通はHORNに対応する軌道解析および接近解析のプラットフォームの構築について検討していくとしており、これらのサービス開発を通じて宇宙の交通管理を実現し、安心・安全かつ持続可能な宇宙活動の発展に貢献することを目指すとしている。